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「運命」以上に厄介な奴ら

 運命というのは残酷だ。

 本人の思いに構うことなく、人々を時間の流れへと押し出してしまう。

 よく言うよな。「運命ほど残酷なものはない」とか、「運命に翻弄された人生」とか。

 でも、俺にとって一番残酷なのは……間違いなく、あの「ジジイたち」だ。運命以上に質が悪い。

 奴らのおかげで俺の人生がどれほど狂っただろうか。

 でも、まあ。たまにはこういう「運命」も悪くないかな。

 と、目の前の「彼女」を見つめながら、俺はこっそり「奴ら」に感謝した。


 ……面と向かっては感謝なぞしないぞ。




 事の始まりは、一月前だった。


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