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「君さ、今『死にたくない』って思ってるだろ? でも、それ以上に『自分が守るべき王が、こんなに情けなく震えてる』ことに絶望してるんじゃない?」


俺が囁くと、騎士の瞳に涙が浮かんだ。

その瞬間、彼の全身から「希望」という名の生命力が、目に見えるほどの黒い霧となって俺に流れ込む。アッハッハッハッハ。


「あ、あ、あああああッ!!」


「はい、収穫完了。君はもう、ただの『息をする肉塊』だ。おめでとう、戦わなくて済むよ」


騎士は糸が切れた人形のように崩れ落ち、ただ虚空を見つめてヨダレを垂らし始めた。死んではいない。ただ、人間としての「中身」を全部俺が美味しくいただいた。それだけだ。


「さて、次は……王様。お前だ」


俺は震える王の元へ、一歩ずつ、ダンスでも踊るような軽やかな足取りで近づく。


「ひ、ひぃっ! くるな! 金か!? 地位か!? 望むものは何でもやる! 頼む、殺さないでくれ!」


「殺す? まさか。そんなもったいないことしないよ」


俺は王の膝元にしゃがみ込み、彼の頬をやさしく撫でた。


「お前にはさ、これから『自分が築き上げた国が、たった一人の不審者に合法的に解体されていく様』を、特等席で見守ってもらうんだ。大丈夫、お前の贅肉が全部削げて、骨と絶望だけになるまで、俺が最高の延命措置をしてあげるから」


王の絶叫が、広大な玉座の間に響き渡る。

それは、魔王の進撃よりも恐ろしく、しかし俺にとってはどんな名曲よりも心地よい、異世界生活の「開幕のベル」だった。


「ああ……やっぱり異世界はいいな。前世の俺の人生より、こいつらの一生の方がよっぽど役に立ってる。嗚呼、だが悲しい。テクノロジーが乏しい時代なら、俺は浴びるほどの快楽を浴びれただろうに」


俺は窓の外に広がる城下町を見下ろした。

そこには、まだ何も知らない数万人の「材料」たちが、幸せそうに暮らしている。


ああ、美しい。実に美しい。


「さあ、皆殺し(ジェノサイド)は効率が悪い。まずは……『重税』と『徴兵』のコンボで、じっくりと熟成させてからいただこうか」


だが、葬儀屋の友人が言ってたな。解剖も楽しいと。特に生きた検体は最高らしい。俺も、時間があれば、是非試してみるか。

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