表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が善人なんて誰が決めた? 俺のチートは、お前らの「絶望」で美味くなる。殺しや拷問を快楽としか認識しないぶっ壊倫理のゴミが異世界召喚に巻き込まれた話。  作者: 道徳心と引き換えに笑いを得る物語


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/23

12

「ああ、いい匂いだ。お前の体から発するフェロモンも、お前のその『清らかな絶望』も……嗚呼、もっと吸わせろよ」


俺はエリスの杖を掴み、力任せに引き寄せた。


「ひっ……! 離して!」

火花が激しく散る。


「おっと、抵抗するのか? なら、いいものを見せてやる。エリス、お前の大好きな『民』の姿だ」


俺は指を鳴らした。

すると、魔族に怯え、俺に財を奪われ、絶望の淵にいた住民たちが、ゾンビのようにふらふらと俺たちの周りに集まってきた。彼らの目は虚ろで、口々に呪詛を吐いている。


「勇者様……助けてください……」

「聖女様……お救いください……」


エリスは必死に叫んだ。

「皆さん、大丈夫です! 私が、この偽りの勇者を……!」


「いや、違うんだよエリスちゃん」


俺は彼女の肩を抱き寄せ、住民たちに向かって朗々と宣言した。


「皆、聞け! この聖女エリスは、今、俺の活動を邪魔しようとした! つまり、彼女は『魔王討伐を阻止しようとする、教会の裏切り者』だ! 彼女のせいで、お前らの苦しみはさらに長引くことになるぞ!」


「……え?」


住民たちの視線が、一瞬でエリスに向けられた。

「絶望」で理性を失った人間は、攻撃対象を欲しがる。それが、かつて自分たちを導いていた「聖女」であっても関係ない。それが人間の行動心理そのものだ。


「聖女様のせいで……?」

「俺たちの金が……お前が邪魔をするから……!」

「何とかしろよ! 聖女だろ!」


「ち、違います! 私は皆さんを助けようと……!」


「助ける? どうやって? お前に金が出せるのか? 奪われた生活を今日中に戻せるのか? できないだろ。俺なら、お前が大人しく俺に従いさえすれば、今すぐ『勇者維持特別税』を減免してやってもいいんだぜ?」


俺の提案に、住民たちの顔に「醜い希望」が宿った。


「聖女様……お願いします……」

「俺たちのために……勇者様の言う通りにしてください……」

「お前のプライドなんてどうでもいいんだ! 俺たちの税金を安くしろ!」


「あ……ああぁ……」

若すぎるんだよ、エリスちゃん。なんて赤子のように脆いんだ。俺のチートの影響もあるだろうが。


エリスは絶句した。

信じていた民衆から向けられる、剥き出しの憎悪。

自分が救おうとしていた手によって、暗闇へ引きずり込まれる感覚。

彼女の聖なる光は、ドロドロとした黒い絶望に飲み込まれ、パリンと音を立てて砕け散った。


俺は、絶望のあまり崩れ落ちるエリスの髪を掴み、耳元で優しく、最高に毒々しく告げた。


「さあ、エリス。今日からお前は、俺の専属の『贖罪メイド』だ。お前が俺に尽くし、俺を満足させるたびに、この住民ゴミたちの税金を安くしてやる。お前が汚れるたびに、民が救われる……。ほら、聖女様らしい、素晴らしい自己犠牲の物語だろう?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ