9話 魔族とか怖すぎでしょ!
「リリアとカロンが居なくなった!?」
「申し訳ありません。まさかリリアを攫う輩がいるとは思わず」
屋敷の部屋で目を覚まし、リリア行方不明の知らせを受けたアリエルは、すぐさま隣のリリアの部屋に向かった。
「女神フレア、リリアがいる場所を教えてください!」
リリアのハンカチを持ち、女神に祈ると頭に映像が浮かぶ。
港、船、孤島、森、小さな小屋、地下室。
「ッハァ!」
「ユーリ!リリアは無人島の小屋の地下室にいる!」
「無人島?!」
「リリアは港から小舟に乗って島に行った!森の中に小屋があって地下室に連れて行かれた!カロンが連れてった!」
「だろうな」
「小舟でいける島なんて一つしかねえ!乗り込むぞ!」
「ジュナさん、アリエルを頼みます」
「分かりました。お気をつけて!」
「ぎゃっ!」
リリアは自分が置かれている状況を理解出来なかった。
「べ、別に痛くはないよ。一瞬だもの」
「ただ、魂ごとか、体をもらうだけ」
「リリアのの、能力は隠密向き」
カロンはナイフを手にリリアに語りかける。
リリアはカロンが何をしようとしているのかを想像して息が出来ない。
「僕達ま魔族は聖女とあ、相性が悪すぎる。邪魔」
「魔族?!」
リリアは手足を鎖で縛られ、台座に寝かされている。
「い、いいかい?僕がなナイフで心臓を壊したら、しゅ、瞬時に入るんだよ」
顔の無い影が頷く。
「じゃあ、い行くよ」
ナイフの切先をリリアの心臓に当てるカロン。
(助けて!リールさーん!!)
ギュッと目を閉じて歯を食いしばり、心の中でユーリに助けを求めるリリア。
スッ!とカロン達の気配が消えた。
ズガアアアン!
「リリアぁ!!」
ユーリがドアを蹴破り騎士団が後に続く。
「リールさん!!」
ユーリがリリアを縛っている鎖に剣を突き立てる。
ガキィィ!!
「ひぃっ!」
「大丈夫か!」
「カロンは魔族でした!」
「アリエル様の体を乗っ取るつもりです!」
リリアはユーリに縋って訴える。
「魔族か!また面倒臭ぇ」
「王女は騎士団が保護してる。元気なら戻るぞ」
「リリア!」
「アリエル様!」
アリエルは涙を流してリリアに抱きつく。
「生きてる!無事で良かった!」
「ごめんなさい!私の不注意でした」
「リールさんに聞きました。アリエル様がお力を使って私を見つけてくださったと」
「申し訳ございません!私なんかの為にお力を使わせてしまいました!申し訳ございません!」
「いいよそんな事!リリアの為ならいくらでも使う!」
「リリア、大変な目に遭いましたね。疲れたでしょう。お医者様に来て頂いています。診て貰って今日は休みなさい。アリエル様は私達で見ますから」
「はい、本当に申し訳ありません」
リリアはジュナの言葉に甘えて休む事にした。
(眠れない・・・。目を閉じると胸の上のナイフが見える)
(あと少し遅かったら私は・・・!)
ガンッ!ガンッ!
ビクッ!
突然の爆音に飛び跳ねるリリア。
「は、はいぃ!」
ドアを開けたのはユーリだった。
ユーリは無言でベッドの横に座る。
「馬鹿野郎!」
「だから一人で行くなって言っただろう!」
腹の底から出された怒鳴り声は屋敷中に響いた。
「ご、ごめんなさい!」
「アリエルの力がなかったらお前は確実に死んでた!」
「はいぃ」
「心配かけんな・・・」
一瞬、ユーリが悲しそうな顔をした。
「?」
「とにかく、またカロンの奴が来るかも知れねぇ。お前らしばらく屋敷の外に出るな!」
「気をつけます」
「じゃあ寝ろ!」
「え?」
「寝るまでしばらくいてやる」
「・・・・」
(私、人に見られてると眠れないんだけど。目を閉じるとさっきと違って助けに入ってくれたリールさんの姿が浮かぶ。不思議だ)
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