5話 田舎にでも引っ越したほうがいい
「駄目だ!僕はソイツを良く知らない!」
「本当にアリエルを守れるのか分からない!」
「お兄様が選んだ騎士に守られた事なんて一度だって無いわ」
椅子に座りホットミルクを飲むアリエルの言葉に図星をさされるキース。
「ふっ!」
笑いを漏らすユーリをキースが睨む。
「お兄様、いい加減認めて頂戴。お兄様には人を見る目なんて無いの。いっそ城中の使用人や騎士達をそっくり入れ替えて欲しいくらいだわ」
そんな事を呟く妹にショックを隠しきれないキース。
「とにかく、私の護衛は今日からユーリにやって貰うから、ドアの前で居眠りしているあの騎士達を元に戻して」
「うっ!分かった。アリエルの護衛は今からリールにやって貰う・・・」
「精一杯務めさせて頂きます」
ユーリとリリアが一礼し、アリエルを連れて執務室を出て行く。
「私には人を見る目がない、か」
「確かに、一度使用人を全取り替えした方が良いのかも知れないな」
キースはある人物に相談する事にした。
「アッサリ認められて良かったわ」
「こんなのに命を預けたくない」
王女の部屋を守るべき騎士は昼間から酒を飲み、地べたに座り込んで眠っている。
ユーリはそんな騎士達の顎を蹴り上げる。
「ぐえぁっ!」
「な、な、なんだなんだ!?」
突然の衝撃に慌てふためく二人の騎士の頭を鷲掴み、ドアが明け放たれ荒らされた部屋を見せる。
「「あ・・・・」」
「はぁ・・・。あなた達は今を持って解雇します。今すぐ私の前から消えて」
騎士達は王女に縋るが鼻先でバタアンッ!とドアが閉められる。
「お兄様の見る目本当に無い!」
アリエルは頬を膨らませながら荒らされた部屋を片付けた後、お昼寝の為に衣装部屋に来ていた。
「なんとも言えません」
こんなにゆっくりと着替えられるなんて久しぶり!と喜ぶアリエル。
衣装部屋のドアを開けると、ユーリが魔法使いらしき男を下敷きに座っていた。
「余程ザルだと思われてるな、この城」
「この部屋で十七回目なのよね。引っ越し」
うんざりと言った顔で溜息をつくアリエル。
(引っ越し、か)
どこか安全な所はないかしらと頭を抱えるリリアだった。
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