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4話 王子見る目無さ過ぎでしょ!

 城の奥にあるレンガでできた塔の地下深く、紫に光る扉の向こうにそれはあった。


 世界中に散らばった七つのクリスタルへの転送装置。


 儀式は半年に一度、少人数で行われる。


 今回はアリエル、キース、リリア、数人の護衛騎士達で行われる。


「一つ目は我が国、グランベール王国。氷結の滝だ」


(氷結の滝。ホワイトドラゴンの巣があると噂の!)


「大丈夫ですよ。王女様!最近ホワイトドラゴンが卵を産んでいきり立っているって話ですけど、なんとかなりますって!」

「王子もいますしね!」


 一人の騎士が親指を立ててウインクをする。


(騎士が無能なのか、王子に人をみる目が無いのか、両方なのか・・・)


 転送装置に乗り込み、青白い光に包まれ瞬時に消えた。


 氷結の滝へと転移した瞬間、ホワイトドラゴンにアイスブレスをお見舞いされた。


「ぎゃあああ!寒いいい!王子、王女様助けて下さーい!!」


 騎士達は一瞬て凍ってしまった。


 リリアはアリエルが張ったバリアのおかげで凍らずに済んだ。


 クリスタルは滝の数メートル上で黒く禍々しいオーラを発している。


 ホワイトドラゴンはクリスタルから発せられる瘴気を浴びて気が荒ぶっているようだ。


「女神フレア、クリスタルを浄化し、ドラゴンを助けて下さい」


アリエルは跪き、手を組んで祈りを捧げた。


 クリスタルの瘴気は霧散し、ドラゴンは目が覚めたかの様に

巣に戻っていった。


 リリアはドキドキしながらその光景を見ていた。





「次はヘムルネルの雷鳴の丘だ」


(氷結とか雷鳴とか、なんでそんな危険そうな所にクリスタルを置いたの?)


 転移した瞬間、稲妻の雨が頭上に振り注いだ。


 ドシャーン!


 バガンッ!!


 幾本もの稲妻が大きな岩を砕いていくが、クリスタルには避ける様に当たらない。


 騎士達は雷が割った岩に頭をぶつけ気絶している。


「女神フレア、クリスタルを助けて。大地の怒りを鎮めて」


 アリエルが神に祈りを捧げる。


 途端に空は晴れ、クリスタルは白く輝き出した。


「次は炎業の湖だ」


 こうして、アリエルは一日で全てのクリスタルを浄化して周ったのだった。


 




「さすがに疲れたようですね。グッスリ眠っておられます」


「済まない。どこから狙われるかも分からないからな。長く外にいる訳には行かないんだ」


(ほとんどアリエル様のバリア頼りだったけど・・・)

(これは、一人で良いから頼りになる護衛を探さなきゃいけないかも・・・)





 翌日、リリアはアリエルを連れて騎士団の訓練場に来ていた。


(この騎士団、まともな人がいないのかしら)


 少し剣を交えては疲れたと休み、座り込んでお喋りしている。


(いくらこの国が犯罪の少ない平和な国だからって、アリエル様は今も命を狙われているのに!)


(誰かまともに訓練に打ち込んでいる人、危機感を持って仕事をしている人は居ないのはかしら・・・)


 ふと、ふっ、ふっと言う息遣いと何か棒を振るような規則正しい音が聞こえる。


 音のする先に行って見ると、長い髪を後ろに束ねた訓練着の男が一心不乱に剣を振っている。


 男の体に汗が滲んでいる。


 リリアが恐る恐る声を掛ける。


「あの、失礼します。私、アリエル様付きのメイドのリリア・ガイマンと申します。少しお話を」


 男の剣が速くなる。


 まるで見えない影と戦っているように男は踊る。


「失礼しまーす!!おーはーなーしーをー!」


「私アリエル。あなたと少しお話がしたいわ」


 アリエルが珍しい物を見た、と言う顔で男に話しかける。


「おっと危ねえ!王女様?!危ねえから訓練中に近づくんじゃねえ!」


 王女の姿に気づいた男が飛び跳ねて王女に注意する。


「アリエル様になんて口の聞き方!無礼ですよ!」


 指を差して男に抗議するリリア。


「あぁ〜・・・。お付きのメイドはどこ行ったんすか?」


 面倒臭そうに頭を掻きながら男が尋ねる。


「なんですかその態度は!失礼にもほどがあります!」


 何を怒っても男はリリアの存在に気づかない。


 そんな光景をリリアは楽しんでいた。


「メイドならそこに居るわ」


 アリエルは男の横で男を睨んでいるリリアを指さす。


「ぁあ?」


 男が右側に振り向くと、凄い形相で男を睨んでいるリリアを見つける。


「ぉあ!!アンタいつの間にそこに居やがった!」


「さっきからいました!!」


「リリア、事情をお話しして」


「あ、はい」


 リリアは目的を思い出した。


「あの、実はお願いがあるんですが」


 リリアは男にアリエルの護衛の事、使えない騎士や信用出来ない使用人達の話をした。


「別に構わないぜ。ちょうど暇してた所だ」


 男の返事にリリアの顔色か明るくなる。


「平和ボケした輩ばかりだ。三百年戦争がないからってこれからも平和だと思いこんでいやがる」

「新人の冒険者の方がよっぽど使えるぜ」


 男はチッ!と舌打ちする。


「こちらも同じ様な物です」


「一番の無能は」


「それではキース様にお伝えしてきます。お名前教えて頂けますか?」


「一番の無能はお兄様だわ。他は優秀なのに人を見る目だけは無いのよね」


「・・・・」


「だよなぁ!!」


「お、な!ま、え」


「第二騎士団所属、ユーリ・リールだ」


「リール様も一緒に王子の執務室へ来て頂けますか?」


「面倒臭ぇけど、いいぜ」


(キース様に認めて貰わないと終わる!)





 三人は愚痴を言い合いながらキースの執務室へと向かった。




こんにちは、ボアと申します。

もし「面白い!」と思われたら

感想などいただけると参考になりますので

嬉しいです。

よろしくお願いします。

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