2話 どんだけ?
「アリエルは聖女なんだ」
キースは暗い面持ちで話し出す。
が、リリアからの返事は無い。
「あれ!いない?」
「あ、ここにいます」
横の給湯室からリリアが顔を出す。
「アリエルは聖女なんだ」
「え?聖女様!て、あの伝説の?!」
「前回現れたのは三百年前ですよね?!」
リリアが紅茶を置きながら、椅子に横になって眠っているエアリスを見る。
「一度、保護を名目に教会に連れて行かれた事があるんだが、警備がザルで幾度となく誘拐され掛かった事がある」
「だから強制的に連れ戻したんだが、色々な方法でアリエルを狙う輩が多くてな。手が追いついていない」
「一生涯部屋に閉じ込めて置く訳にもいかないしな」
「無理にとは言わないが、君には二十四時間アリエルの側に付いて監視して欲しんだ。その影の薄さなら相手にも気付かれまい」
「何かあったら部屋の前に立っている騎士に伝えてくれ」
(なるほど、こう言うことですか・・・)
眠たくてグズっているアリエルを、ベッドに運んでやっと寝かしつけた所、シュッ!と黒尽くめの男が現れ、アリエルを連れ去ろうとする。
リリアは椅子を男に投げつけ倒し、アリエルを抱いてドアに向かって走る。
「騎士さん、不審者です!」
男は騎士によって拘束された。
そしてリリアは再びアリエルを寝かしつけるのに苦労した。
「食事のときはこの食器に移し替えて食べさせてくれ」
「薬物を検知する魔道具だ。」
「以前、睡眠薬を入れられた事があるんだ」
「薬物を検知したら食器が光る」
キースは特注の子ども用食器をリリアに渡した。
「これの事は誰にも言わないでくれよ」
(全ての食器が光ってる、目が痛いんだけど・・・)
「リリア、眩しくて目が痛い」
「今新しい料理をご用意しますね。しばらくお待ち下さい」
「騎士さん、食事に毒が入ってます」
後日、あるメイドが拘束された。
「夜寝る時はこのイヌの人形を枕元に置いて一緒に寝てくれ」
「不審者がいれば吠える魔道具だ」
キースはシベリアンハスキーの人形をリリアに渡した。
バウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウ!!!
ドアを守る騎士が拘束された。
(これが毎日続くの?)
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