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16話 グダグダの初戦闘!

「リズレッドはね、元々この森を支配していた氷の魔女だったの」

 

 ユナはホットミルクの入ったカップを片手に話し出す。


「でも調子に乗って世界を支配しようとしたから当時の聖女にこの本に封印されたわけ」

「うちは代々リズレッドの封印が解けないように守って来たの。貴族で公爵家だったんだから!」

  

 バンバン!と本を叩き、リリアをハラハラさせる。


「当時の馬鹿王子が馬鹿なことをして馬鹿みたいな事になったけど!」


 ガン!とカップを乱暴に置き、シュナに嗜められる。


「申し訳ありません。当時の王子に代わり謝罪します。その上私の不注意で氷の魔女を解放してしまいました」


 申し訳なさで声が震えるリリア。


「もういいよ、さっきも言ったろ。それなりに良い人生だったよ」


 そんなリリアに優しく声を掛けるシュナ。


 ユーリは不機嫌そうに腕を組みリリアの後ろに立っている。


「んん"ん"!」

「じゃあ、解呪の呪文を唱えるよ」


 本を開いて文字を指で追うユナ。


「え〜と、シカナチマユナハ。ラヤマタナヤラ」

「キイミヒラヤキ。ハラミリイタマナ」

「キアマヤハラ」

「ハタ・・・・」


「!?」

「みんな、伏せろ!」


 ユーリが叫ぶ。


 ドガアアアッ!


 突然の冷気と共に轟音を立てて家が吹き飛ぶ。


 ユーリがテーブルを盾にして三人は守られたが、バキバキと凍ったテーブルはバラバラと崩れ落ちた。


 目の前の上空には青いマーメイドドレスの女が細長い箒に横座りし、煙管を吸いながらユーリ達を見下ろしている。


 シュッ!


 ユーリが剣を一振り払うと炎が剣に纏った。


「ユナ、本の呪文でリズレッドを弱らせるんだよ!」


「えっ!私がやるの!?」


 突然戦闘に加われと言われて足が震えるユナ。


「動けるのも本を読めるのもアンタしかいないんだよ!」


「リズレッドは俺がやる。お前は二人を守れ!」

「ファイアーボール!」


 ユーリが両手を合わせて炎のボールを作る。


「止めて!森が燃える!」

 

 ズガアアアン!


 リズレッドが巨大な氷球をユーリ目掛けて打ち込んだ。


 炎のバリアがユーリを守り、氷球は蒸気を上げて溶けて行く。


「防御魔法!」


 ユナが自分とシュナ、リリアの周囲に青白いバリアを張る。


「雷撃!」


 ビシッ!


 リズレッド目掛けて稲妻が一つ落ちるが、ヒラリと避けられてしまう。


「雷撃!」

「雷撃!」

「雷撃!」


 ユナは幾つもの稲妻をリズレッド目掛けて落とすが、やはり避けられてしまう。


「成長魔法!」


 ポケットから種を一粒取り出すとリズレッド目掛けて投げる。


 種は芽を出し、瞬く間にリズレッドの箒目掛けて蔓を伸ばし始める。


 バシッ!


 が、煙管一つで払われてしまう。


「アンタ全っ然ダメ。話にならない」


 リズレッドがユナの魔法にダメだしして煙を一つ吐き出した。


「魔力が枯れる〜・・・・」


 ユナは膝を付いてしまう。


 (もうダメかもしれない・・・・。何とかしないと)


 ユーリが巨大な火炎球を作り出そうとしている。


 対するリズレッドも氷の槍を何本も作り、ユーリ目掛けて撃とうとしている。


 辺りを見回し、地面に投げ出された蔓を見て思いつく。


 リリアはフードを被り、そろそろと四つん這いになって蔓を掴み、リズレッドの背後に回ると大き目の石に蔓を巻き付け、

即席の投石具を作った。


「えい!」


 蔓を短めに持ち石を振り回し、リズレッドの箒目掛けて投石する。


 シュッ!


 石は箒に巻き付き、リズレッドは一瞬体勢を崩した。


「きゃああ!何!?」


「今だ!」


 リリアは思いきり蔓を引っ張りあげる。


「雷撃!」


 ビシャアアアッ!


「ギャッアアア!」


 ユナがリズレッドに雷を浴びせる。


 氷の槍を伝い網状に稲光っている。


「シカナチマユナハ!ラヤマタナヤラ!」

「キイミヒラヤキ!ハラミリイアマナ!」

「キアマヤハラ!」

「ハタマナ!」


 ユナが本を広げて呪文を唱える。


「い、嫌アアア!」


 バシュウゥゥ・・・・。


 リズレッドが本に吸い込まれて行き、ユナはバタンッ!と。本を閉じた。





こんにちは、ボアと申します。

もし「面白い!」と思われたら

感想などいただけると参考になりますので

嬉しいです。

よろしくお願いします。

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