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冷遇された少女は竜神と出会い幸せを知る  作者: 加藤 すみれ


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2/6

龍神様との出会い

次の日、やっとこの日が来た。解放されるんだ。私は喜んでいることを隠し、旦那様のいる部屋へ向かった。

「お前が生まれたのは12時35分、今から二時間後だ。どうせなにも宿らんだろう。命乞いをしても無駄だからな。」

そんなことするわけがないだろう。こんな世界を生きて何がいいというのだろうか。

「そろそろ時間だ。」

あぁ、やっとか。これでやっと...

ズクッ

?なんだろう今の。何か私からあふれそうになって、抑え込められた感じが...

「チッ、あいつの娘だから何かしら持っているかもしれないと思ったら、何にもないじゃないか。まひる‼今日をもってお前には死んでもらう。こやつを魔の森へ連れていけ‼」

私は家に仕える者たちにつれられ、魔の森へときた。ここが、私の死に場所...

「ここからはお前だけで行け。私たちまで巻き込まれるのは嫌だからな。戻ってこようなどとは思うなよ?」

なぜみんな私が生きようとしていると思うのだろう。あんなにもつらい目にあっていたのに、戻るわけがないだろう。さぁ、行こう。お母様のもとへ。

そろそろ止まってもいいかな?ここなら、いつか魔のものが来て私を食べてくれるだろう。

「よいしょ。」

適当な場所に腰かけた。いつくるかな?いつ救われるかな?そんなことを考えてたら、魔のものが私に向かってきた。ちょっと痛そうだな。でもすぐにそんな痛みもなくなるだろう。

-あぁ、ようやく終わるのね。-

「魔よ!消え去れ!」

え?嘘...

「何をしているんだ‼こんなところで!死にたいのか!」

「・・・なぜ...」

「なぜだと?こっちが聞いて…」

「なんで助けたのですか‼ようやく楽になれると思っていたのに!ようやく、この地獄から解放されると思っていたのに!」

「楽にって死ぬつもりだったのか?」

「ええ、そうですよ。あなたには関係ないでしょう?ほっといてください。」

そう言って次の死に場所を求めに行こうとしたら、手をつかまれた。

「待て!話はまだ終わっていないぞ!大体なぜそんなに死...急い...?..いっ!」

あれ?なんでか、声が急にとお、く。

バタッ

目が覚めると、知らない天井があった。

「ここ、どこ?」

「気が付いたか。ここは俺の屋敷だ。」

「あなたは一体?」

「俺は龍神だ。名前は、そうだな、ゼロとでも呼んでくれ。」

「龍神?世界に7人しかいらっしゃらないという?」

「あぁ。」

「そうですか、では私はこれで失礼します。」

そう言い、立とうとしたが体に力が入らなかった。

「また死のうとするのか!なぜそんなにも、死にたいのだ。」

「この世は地獄だというのに、どうして生きなければならないのですか?」

「地獄?そもそも君は誰で何故、そんなにもボロボロなんだ?」

「そういえば、まだ自己紹介してなかったですね。最後に、人生で初めて助けてくれたあなたと少し話しましょうか。」

それから私は、自己紹介と今までどんな扱いをしてきたのかを話した。


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