龍神様との出会い
次の日、やっとこの日が来た。解放されるんだ。私は喜んでいることを隠し、旦那様のいる部屋へ向かった。
「お前が生まれたのは12時35分、今から二時間後だ。どうせなにも宿らんだろう。命乞いをしても無駄だからな。」
そんなことするわけがないだろう。こんな世界を生きて何がいいというのだろうか。
「そろそろ時間だ。」
あぁ、やっとか。これでやっと...
ズクッ
?なんだろう今の。何か私からあふれそうになって、抑え込められた感じが...
「チッ、あいつの娘だから何かしら持っているかもしれないと思ったら、何にもないじゃないか。まひる‼今日をもってお前には死んでもらう。こやつを魔の森へ連れていけ‼」
私は家に仕える者たちにつれられ、魔の森へときた。ここが、私の死に場所...
「ここからはお前だけで行け。私たちまで巻き込まれるのは嫌だからな。戻ってこようなどとは思うなよ?」
なぜみんな私が生きようとしていると思うのだろう。あんなにもつらい目にあっていたのに、戻るわけがないだろう。さぁ、行こう。お母様のもとへ。
そろそろ止まってもいいかな?ここなら、いつか魔のものが来て私を食べてくれるだろう。
「よいしょ。」
適当な場所に腰かけた。いつくるかな?いつ救われるかな?そんなことを考えてたら、魔のものが私に向かってきた。ちょっと痛そうだな。でもすぐにそんな痛みもなくなるだろう。
-あぁ、ようやく終わるのね。-
「魔よ!消え去れ!」
え?嘘...
「何をしているんだ‼こんなところで!死にたいのか!」
「・・・なぜ...」
「なぜだと?こっちが聞いて…」
「なんで助けたのですか‼ようやく楽になれると思っていたのに!ようやく、この地獄から解放されると思っていたのに!」
「楽にって死ぬつもりだったのか?」
「ええ、そうですよ。あなたには関係ないでしょう?ほっといてください。」
そう言って次の死に場所を求めに行こうとしたら、手をつかまれた。
「待て!話はまだ終わっていないぞ!大体なぜそんなに死...急い...?..いっ!」
あれ?なんでか、声が急にとお、く。
バタッ
目が覚めると、知らない天井があった。
「ここ、どこ?」
「気が付いたか。ここは俺の屋敷だ。」
「あなたは一体?」
「俺は龍神だ。名前は、そうだな、ゼロとでも呼んでくれ。」
「龍神?世界に7人しかいらっしゃらないという?」
「あぁ。」
「そうですか、では私はこれで失礼します。」
そう言い、立とうとしたが体に力が入らなかった。
「また死のうとするのか!なぜそんなにも、死にたいのだ。」
「この世は地獄だというのに、どうして生きなければならないのですか?」
「地獄?そもそも君は誰で何故、そんなにもボロボロなんだ?」
「そういえば、まだ自己紹介してなかったですね。最後に、人生で初めて助けてくれたあなたと少し話しましょうか。」
それから私は、自己紹介と今までどんな扱いをしてきたのかを話した。




