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あぜ道から始まる異世界冒険譚(あぜ譚)  作者: 蒼い向日葵


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第4話 傷ついた飛竜と森の逃走

前回のあらすじ

森で傷ついた飛竜の子と出会い、リディアの助けで春樹は森の中を逃げまわる。

森の奥で、背後から複数の低いうなり声が迫る。

春樹は小さな子飛竜を抱え、リディアの後を追う。


「はるき、こっちよ。ゆっくりでいいから」


リディアは柔らかく手を差し伸べ、春樹の腕にそっと触れながら導く。

踏みしめる土が軋み、枝や葉が顔に当たるが、リディアは落ち着いた声で励ます。


「もう少しで、安全な場所よ。大丈夫、怖がらなくていいからね」


春樹が子飛竜を抱えながら息を整えると、リディアは笑みを浮かべた。


「よく頑張ってるわね、はるき。もう少しだけ、一緒に走ろう」


森の奥から、再び低いうなり声が迫る。春樹の心臓が高鳴る。


背後の音は、傷ついた親飛竜のものかもしれない。だが、そのほかにも、森には小型の魔物が潜んでおり、いつ襲ってくるかわからない。

二人は子飛竜を守るため、慎重に、そして素早く走った。


春樹の心臓が高鳴るが、リディアの落ち着いた声が支えになる。


「はるき、気をつけて。ここで転ばないようにね」


二人は息を合わせ、子飛竜を守りながら茂みを抜けて進む。


リディアの手が春樹の腕を支え、子飛竜の体重を少し分け合うようにして、二人は森の奥へと走り続けた。


やがて、二人は小さな小川のほとりにたどり着く。水音が心地よく響き、影も一時的に途絶えた。


「ここで少し休もう。もう大丈夫よ」


リディアは子飛竜を優しく地面に下ろし、包むように手を添える。


春樹は肩で息をしながら頷く。


「……ありがとう、リディア」

リディアは微笑んで答えた。


「怖がる必要なんてないのよ。私がついてるんだから」


如何にも自分が年上であるかのように振る舞う彼女はドヤ顔で胸を張る。

春樹の腕に抱かれた小さな子飛竜は、二人の間で少しずつ落ち着きを取り戻す。



森の中で始まった、春樹とリディア、そして小飛竜の冒険の第一歩。

物語の切り方が未だ分からず、短めの回になってしまいました…。おかしな部分とか無いか、何度も読み返してはいますが不安でしょうがないです(ー_ー;)

感想、ご指摘とても有り難く感謝です。

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