表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あぜ道から始まる異世界冒険譚(あぜ譚)  作者: 蒼い向日葵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/9

第3話 森で出会った飛竜の親子

前回のあらすじ

異世界の森で迷う春樹、謎の少女と出会い、冒険の第一歩を踏み出す

簡単な自己紹介を済ませた後、出会ったばかりの少女…リディアの後を追いながら、春樹は背の高い草をかき分け、森の奥へと進む。

足元の土は柔らかく、湿った匂いが鼻をくすぐる。


枝や葉が光を遮り、木漏れ日が地面に斑模様を作っている。


「……落ち着け、まずは状況確認だ」

春樹は小さくつぶやき、息を整える。

弓道で鍛えた冷静さが、かろうじて心の揺れを抑えてくれる。


しばらく歩くと、背の高い草の奥で小さな動きが見えた。


(何かな…?)


危機感も何も感じず、春樹は草むらに向かって歩き出す。草をかき分けてみると、そこには体長は1メートルにも満たない、生まれたばかりの子どもくらいの大きさの何か…。


更に近づくと、淡い青色の鱗に覆われた小さな翼が折れ曲がり、血が滲んでいる。


「……飛竜……?」

春樹は息をのむ。ゲームの中のモンスターのようだが、確かに生きている。


小さく震え、痛みに耐えている姿は、無力でか弱い子どものようだった。


「大丈夫、大丈夫……俺は何もしない」

そっと手を伸ばすが、飛竜の子は恐怖で後ずさる。


「――触らないで!」


リディアの声が森に響き、春樹の前に立ちはだかる。

小さな弓を握り、鋭い目で春樹をにらむ。


「どうしてこの子に近づこうとするの!? 危ないでしょ!」


「いや、その……助けようと……」

「助ける? 本気で言ってるの?」


ため息をつきつつも、リディアは飛竜の子にそっと近づき膝をついて、折れた翼を優しく撫でる。


「……大丈夫。もう怖くないよ」


春樹はその優しい声に、思わず胸が少し温かくなる。


「この子、親とはぐれたんだと思うの。放っておいたら……」

リディアは目を伏せ、小さな声でつぶやく。


「死んじゃうかもしれない……だから、ちゃんと助けないと」

春樹は思わず息をのむ。


(死ぬ……この子が……?)


「俺にも……何かできること、あるか?」


リディアは一瞬春樹を見上げ、少し驚いた表情を浮かべる。


「……変わった人だね。でも手伝ってくれるなら……うん、お願い」

春樹は慎重に子飛竜に近づき、そっと抱き上げる。


小さな体は震えていて、翼の傷からはまだ温かい血が滲んでいた。

リディアはそばで見守り、時折「大丈夫、大丈夫だよ」と声をかける。


その声は、まるで母親のように安心感を与える。

そのとき――森の奥から低く唸る声が響いた。


「……グルゥゥゥウ……」


リディアの顔が強張る。

「やばい……親の“飛竜”が戻ってきたのかも!」


木々を揺らしながら、巨大な影が迫る。

リディアは小さな手で春樹の腕に触れ、子飛竜を抱えたまま彼を見上げる。


「怖がらなくていい、でも逃げるの手伝って」


春樹は少し勇気を出し、リディアの手を握る。


「……わかった、任せて!」


――しかし、森の奥からはさらなる唸り声が重なり、影が二つ、三つと増えていく。


春樹は息をのみ、次に何が現れるのか予測できなかった――


こうして、春樹とリディアは傷ついた飛竜の子を抱え、森の奥へと走り出す。

徐々に楽しくなってきてますヽ(=´▽`=)ノ

春樹くんは大丈夫かなぁ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ