Vtubers Zone Archivo 001 進むべき道
すべてが終わった。
壮絶な戦いも、最高と最悪の思い出も、数えきれない死も、暗黒の時代も――
すべてが、ひとつの区切りを迎えた。
そして今、彼らはそれぞれの“運命”を選ぶことができる。
「グラ……元の身体に戻ろう。
そして、また冒険を続けるんだ。いつものように」
涙を浮かべながら、しかし幸せそうに、コウイチはそう言った。
「う、うん……。それが一番普通だよね」
グラは照れながら、うまく言葉を紡げずに答えた。
けれど、その先には“明日”があった。
一年が過ぎ、世界は穏やかだった。
川は変わらず流れ、すべてが少しだけシンプルになった。
もちろん、敵が完全に消えたわけじゃない。
――これは“完全なハッピーエンド”じゃない。
……あ、誤解しないで。
語り手である私は、気まぐれで介入するタイプなんだ。
まあ、作者が私をこのクローゼットに閉じ込めて、
24時間働かせてるだけなんだけどね。
「よーし、ヒーローたち!
今日は卒業式よ!」
困惑しつつも笑顔で、ミナ・スタイルは言った。
多くの者たちは元の身体へ戻り、
そして一部の者は――NUEを選んだ。
選択は、すべて自由だった。
「本日の卒業式では、すべてのクラスが卒業します!
細かい説明は……面倒だから省略!あはは!」
そう言って、ミナは皆を笑わせた。
「大変なことも、悲しいことも、楽しいこともあった。
でも、これからは穏やかに生きられる。
まあ、冒険は続くけどね。
世界が滅びるのは――次の通知までお預け!」
再び、場は笑いに包まれた。
「ねえ……アオイは?
どこにいるの?」
震える声で、グラは尋ねた。
もう二度と、姉に会えないのではないかと恐れていた。
「おーい、みんな!
ミナが用意したサプライズがあるよ!」
エミキクスの明るい声に導かれ、
皆が歩いていくと――
そこには“英雄として描かれた彼ら”の姿があった。
「コウイチ、グラ、そして君たち。
ヒーローランキングのトップになることもできるわよ。
それとも……断る?」
ミナは気楽に言った。
「普通の主人公なら、
“はい、俺がNo.1になります”って言うんだろうけど……」
コウイチは照れながら笑い、続けた。
「でも、俺は違う。
トップにはならない。
今の番号のままでいい。
俺たちの目的は、“明日を見ること”だったから」
皆も同じ考えだった。
そして、自然と拍手が起こった。
その夜――
三大英雄は、四人に名誉のメダルを授けた。
星空の下、川辺に吹く風。
その光の中で――ひとつの想いが告げられる。
「コウイチ……
わ、わたしと……結婚してくれますか?」
震える声で、グラは言った。
「も、もちろん――」
その瞬間、
チビドキが投げた砂玉が、コウイチの顔に直撃した。
実はすべて、
二人のために用意された“結婚サプライズ”だったのだ。




