VTubers Zone Archivo 001:祝宴
「まあ、Gura が自分のプレートを取れなくて泣いたあとだけど、みんなでミスター・リラックスとお祝いしてるところだよ」
とコーイチが言った瞬間、彼の頭にコツンとげんこつが落ちた。
「ミスターじゃなくてマジン・リラックスって言ったでしょ、バカ」
と Gura が言い、マジン・リラックスを怒らせないようにそっと視線をそらした。
マジン・リラックスは祝宴の開幕として、みんなを癒す歌を放つ。
コーイチは完全回復し、Gura、Emikikus、Chibidoki も元気に戻った。
…まあ、コーイチはまだ Chibidoki が怖いけど。
そして俺はというと、古代竜「マルソパセロンテ」のフィレを食べている。
だって俺はナレーターだし、お腹すいたんだよ。
「コーイチ、どこ行くの?」
と Gura が聞いた。
「ちょっと Aoi に話してくる」
とコーイチは歩きながら言った。
「なあ、なんで俺のこと嫌ってんの? 初日にいきなりハリケーンぶつけてきたし、修行のときはヒトデで切ったし」
と、少しアホっぽい顔で聞くコーイチ。
Aoi は伝説の鳥「ペリガンゾー」のステーキを食べながらため息をつく。
「…あんたが姉さんに近すぎるのが気に入らないのよ。姉さんは、昔あなたのせいで傷ついたんだから」
と冷たく言うが、少しだけ表情を和らげる。
「でもまあ、一応チャンスはあげるわ。私は C.D.H.N(新人英雄部門)の教師だしね。」
そして Aoi は指を立てて言う。
「それと、互いに勝手に助け合うのは禁止。破ったら、ミャウリザウルスのところに送るわよ。本当に恐ろしいんだから。」
「わ、わかった…大丈夫だから…」
とコーイチはビビりながら返事した。
その後、みんな酔っぱらって眠り込み、三大英雄が全員を家まで運ぶことになった。
「ミナ、君は俺が運ぶ。ガンゲリオンもだ。……はあ、しゃべるだけで痛い」
とナインソウルズはボロボロの声で言いながら、ミナをベッドに、ガンゲリオンを客間に寝かせる。
彼自身もそのまま眠り込むが、ふと目を覚ますとミナの腕の中にいた。
「だって、さっきあなた空飛びながら巨大キャノン持ってたでしょ。落ちかけてたから支えただけ」
と、姉のような優しさでミナが言う。
「大丈夫。俺は闇の淑女と結婚してるし…でも、俺たち三大英雄はずっと兄弟みたいなもんだろ」
とナインソウルズはつぶやき、そのまま眠りに落ちる。
ミナは夜空を見上げ、静かに歌う。
「夜は長いけど…朝は必ず来る。
みんながいなくなってしまっても、思い出は風と一緒に残る…」
そうつぶやきながら、ミナも眠りについた。
このようにして、本 OVA は幕を閉じる。




