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**【VTUBERS ZONE:ARCHIVO 001】 みんなで立ち上がる・パート3(シーズン2最終話)**

遠くから吹きつける風。

ミナはもう体を支えることすらできなかった。


「どうしたミナ? さっきまで“私たちを殺す”って言ってたよな?」

第一スーパーノヴァが嘲るように笑った。

遠くから吹きつける風。

ミナはもう体を支えることすらできなかった。


「どうしたミナ? さっきまで“私たちを殺す”って言ってたよな?」

第一スーパーノヴァが嘲るように笑った。


「黙れ…バカ。お前なんか…誰でもない!」

ミナは叫び、勢いのまま飛びかかり、拳を連打する。


しかし――

ガツン、と顎に直撃する強烈な一撃。


操られたゾンビ状態の義理の妹には、もうミナを守る力は残っていなかった。


「……ごめん。助けられなくて……」


ミナは涙を飲み込み、Style VTを発動。

改造された身体を一刀のもとに両断した。


「次は……お前だ、クソ女……!」


ミナの怒りの連撃を、スーパーノヴァは軽やかに回避する。

一方その背後で、ナイン・ソウルズは必死に力を溜めていた。


「ミナ、お前ならできる。お前が“諦めるな”って俺に教えたんだ。だから俺は…俺でいられる!」


その叫びとともに、ついに解き放たれる。


VT:闇の中へ差し込む光


無数の魂が渦を巻き、スーパーノヴァたちへ襲いかかる。

第二、第五、第九スーパーノヴァが魂に喰われ、消滅した。


そこへガンゲリオンが炎の輪を突き破りながら飛び込み、ミナとナイン・ソウルズを抱えて脱出する。


「よし……癒やしの儀式を使う……二分だけ持つ……」

そう言うと、ガンゲリオンはその場に崩れ落ちた。

その術の代償はあまりにも大きかった。


「ナイン、行くよ。私たちならできる!」

ミナはVTS・インコンプリートを起動し、スーパーノヴァの核心部を斬り裂く。

彼女さえ倒せば他の全てが崩壊する。ただし“残留リンク”が残る危険はあった。


ナイン・ソウルズは影の鞭で敵を拘束し、ミナの連撃の道を作る。


二分が経過した。


「終わりだよ、ミナ」

スーパーノヴァが笑い、ミナの顔を掴んで地面に叩きつけた。

同時に再生したゾンビの身体がナイン・ソウルズへ飛びかかる。


問題は――

魂を失った肉体は、ナイン・ソウルズの力が一切通じない。


悪も善もない“空っぽ”には、彼の能力は無効。


押し負けたナイン・ソウルズは空へ打ち上げられ、雲が割れる。

太陽光が直撃する。


「クソ……燃える……太陽が……!」


焼かれながら、彼は僅かな気配を捉えた。

ゾンビの残滓。


次の瞬間、光速の七倍で突進。

そのまま地底界の中層へ引きずり込み、連続転移しながら一方向に数千の打撃を叩き込む。


最後に影の猟犬がその肉体を喰い尽くし、ナイン・ソウルズは血を流しながら倒れた。


「……影よ……消えろ……」


それが意識を失う前の最後の言葉だった。


一方ミナは地面に叩きつけられながらも、渾身の一撃でスーパーノヴァの首を裂く。

彼女の片目を潰し、“視裂”状態へ追い込んだ。


「ば、馬鹿な……どうしてガキが……私を崩せる……!?」

第一上月が震えながら叫ぶ。

その状態では未来予測の能力が封じられる。


もう、ミナの動きは読めない。


「ミナ・スタイル……この名前は“闇の娘”なんかじゃない。

愛こそ最高のスタイル、だよ」


ミナの瞳が光り、彼女は最終奥義を解き放つ。


VT ULTIMATE:アンダレス・サカタ


天より巨大な剣が降り注ぎ、

刀、剣、武器の全ての技術がミナの体へ流れ込む。


「――死ね、母さん」


七種類の斬撃が重なり、そのうち最強の“異形斬”が魔力障壁を打ち破る。

最後に左側からの一閃で、スーパーノヴァを完全に両断した。


「ミナ……行きなさい。あんたは……どこまでも行ける子よ……

母親はね、どれだけぶつかっても……子を愛してるの……」


その声は風に溶け、彼女は消えた。


一日後


「ここ……どこ……?」

三人の子どもたちは目を覚まし、騒ぎに気づいて外へ飛び出した。


そこには、彼らを讃える無数の人々。

スーパーノヴァからVTユニバースを守った英雄たちの姿に、誰もが涙していた。


この日――8月15日は、仲間と共に戦い抜いた“記念日”として制定されることになる。


「じゃあ……だから8月15日は祝うんだね、ミナ?」

コーイチが尋ねる。


「うん。みんな誰かのために命を賭けて……でもその痛みはもう終わったんだよ」

ミナは神風のようなそよ風を感じながらつぶやいた。


こうしてシーズン2は幕を閉じる。


「えー、語り部の言うことは全部嘘です。またシーズン3で会いましょ……って、きゃっ!」

ガウル・グラが言いかけた瞬間、ミナが割り込んだ。


「そうだよグラ。次はあなたが英雄プレートとライセンスを取り戻す時だから」


「えっ、まだ戻ってないの!?」

グラが青ざめる。


「まだだよ。もう一回ヒーローセンターへ行かないと。でも安心して。ちゃんとSSSランク5位に戻れるよ。私たち三大英雄と一緒にね」


「で、でも授業は誰が……」


「ダーメ! ネタバレ禁止!」


「うるさいわよクルクルバカ!」


「おお、ついに暴言が出た。まあ想定内だけど」


こうして英雄たちは、ヒーロー学園の新たな道へ歩み始める。


それでは皆さん、また次のシーズンで。

「まだだよ。もう一回ヒーローセンターへ行かないと。でも安心して。ちゃんとSSSランク5位に戻れるよ。私たち三大英雄と一緒にね」


「で、でも授業は誰が……」


「ダーメ! ネタバレ禁止!」


「うるさいわよクルクルバカ!」


「おお、ついに暴言が出た。まあ想定内だけど」


こうして英雄たちは、ヒーロー学園の新たな道へ歩み始める。


それでは皆さん、また次のシーズンで。

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