出会い
王宮の森に入る許可が出て2週間が経った頃だった。
3日に1度森にいくようになった。
今、私は森の奥深くの花畑にいた。
心が晴れやかになるはずなのに私は疲れていた。
なぜって?
ストーカーだ。
本人らは気配を消しているつもりだろうが、一様魔女の資質をもつ次期魔女だ。
流石に5歳だけど、私は優秀だからわかる。
それに魔女の精神の成長は早いからね。
5歳だと精神年齢10歳くらい。
それは置いといて、まぁ、誰かは大体わかってるし、騎士の代わりにジアも連れてるから大丈夫だとは思うけど‥
「ねぇ、ジレ。
この薬草どう?時間的にも最高じゃない?」
「ミィ〜(いいんじゃない)」
「もう!投げやりに言わないでよ」
ガサ、ガサガサ
ジアと話していると近くの茂みから物音がした。
風魔法を応用して音が聞こえるようにする。
「おい!カイル、バレたらどうすんだよ!」
「ごめんなさい。兄様。
でもほら、あの子草に夢中で気づいてないよ。」
「あぁ、そうみたいだな。
ていうか、花畑にいるくせに花じゃなく草みるなんて変な女だな。
それに一方的に猫に話しかけてるし‥
本当にあれが、父様達が褒めるほどのやつなのか?
俺の方がよっぽど褒められるべきだろ」
話を聞く限り兄弟のようだ。
ていうか兄ムカつくな‥
誰が変な女だって?
まぁ、ジレの声は魔女の資質を持つ、契約者の血縁者しか聞こえないから、一方的に話してるように見えるのは仕方ないけど‥
ていうかコイツら絶対無許可で入ってるだろ‥
どうやって入ったんだよ‥まじで‥
「人は見かけによらないよ。兄様。」
「お前は本当にお人好しだな。
見かけっていうか、あの女顔だけはいいな。
アイツをそばに置いたらあのムカつく野郎どもが羨ましいがりそうだ。
どうせ、顔だけのあんな変な女に友達なんていないだろうな。
俺たちが友達になってやったら泣いて喜ぶはずだ。」
あぁん?
なんだって?
弟はまだ更生予知ありそうだが、クズ兄、お前‥
呪ったろか?呪われたいんだよね⁇
私の殺気に気づいたジアが私の服を引っ張って止めようとする。
それを振り払おうとしたとき‥
「‥お前達なにをしている。」
「「ヒッッ!?」」
いつの間にか兄弟の後ろに黒髪藍色の瞳の私と同世代の少年が立っていた。
無表情のせいか5歳なのにすごい迫力‥
「ホンマやで〜。
アンタらここが許可ないと入られへんて知らんわけちゃうやろ〜?
あんな真面目な父親がアンタらに教えへんわけないもんな〜。
可哀想に‥一気に信用ガタ落ちや。
あと、ムカつく野郎って俺たちのことやんな?
あんまり外で言わん方がええで。
俺たちが何者かアンタらはようわかってるやろ?」
黒髪の少年の背後からひょこっとでてきた、赤髪糸目の少年がつげる。
兄弟の顔は面白いほどあおくなっていく。
「お前ら本当バカだよな〜。
まぁ、弟の方は無理やり連れてこられたんだろうけど‥
ていうかお前ら後ろ見てみ‥
バッチリ聞こえてたみたいだな〜。
うちの母ちゃんもそうだけど美人のキレ顔こえ〜」
同じく後ろにいた金髪赤眼の少年の言葉で彼らは気づいたようだ。
私が見ていることに。
軋む音が出そうなほどぎこちなく私のほうに顔を向ける。
「「ヒィ〜!?」」
兄弟は青い顔を白くさせる。
「い、いくぞ。カイル!!」
「え?に、兄様?
えっと、あっと‥ 本当にごめんなさい!!」
二人はそう言って出口へかけている。
兄やっぱりクズだな‥
二人が消えたことで私とジアと3人の少年だけになった。
「初めまして。
第二王子殿下とそのご友人殿。
今まで、ずっと見ていたから知っていると思いますがご挨拶させていただきます。
アンダルサイト公爵家長女カルミヤと申します。」
これが私とストーカーもとい幼馴染との出会いだった。