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こうなるはずじゃなかった。
魔女には決まり事がある。
その一つは、すでに魔女が住んでいる場所に魔女は住んではいけない。
これは、一つの場所に力が偏るのを防ぐためだ。
それだけ魔女の力は偉大で強力だ。
そんな私もまだ半人前だが魔女として認められた。
私の一族は代々魔女の一家であり、母も魔女である。
なので、私が魔女と認められた今、私は違う場所へ移らないといけない。
母の時は旅をしながら定住地を探したという話を小さい頃から聞き、憧れてたので、自分もそうしようと決めていた。
一人旅を満喫しようと思っていた。
なのに‥ なのに‥
「なんでアンタ達がいんのよー!!」
そう私が旅で最初についた町にいたのだ。
誰かって?
それは、私の幼馴染3人組だ。
それもただの一般人ではない。
貴族だ。1人は第2とはいえ王子。
こんな町の寂れた(こういったら申し訳ないが)宿屋の前でキラキラした笑みを浮かべて立っていていい存在じゃない。
おかしい‥
こんなはずじゃなかった。
わたしのキラキラ1人旅生活は、初めの4時間で終わった。