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まぁまぁクズの英雄譚~今世こそ俺が搾取する側に!~  作者: 公公ウサギ
第6章 冒険者ギルドマスター選挙
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第76話 ドスとトレス

「ところで主よ、公明正大で多くの冒険者から慕われている方に心当たりはありませんか? ランクが高ければ尚いいのですが」


 スフォークと別れた後、セイスにそんなことを聞かれた。


「……いない」

 冒険者の知り合いなんて1人も……ぼっちとか言うなや! しょうがないんじゃ!


「……」

 やれやれとでも言うような顔をしているセイス。

 腹立つなぁっ!


「坊ちゃま、あの方はどうでしょうか?」

「え、誰!?」

「あの方ですよ。坊ちゃまが邪険に扱ったけど、実は優しそうな方々」

「?」

「ほら、オーガに挑戦するときに坊ちゃまがとても失礼な対応をしていた……確か、『執筆毛ペン』のコーギーさん」

「……あぁ、思い出した! 確かにあいつらなら!」

 いたねそんな人たち! 俺が2コンボ決めた人たちだ!


「……」

 何でメイさんは覚えてて主は覚えてないんですか、みたいな顔してるセイス!

 ぐぬぉーーーっ! 腹立つっ! 腹立つっ! 腹立つっ!


「……んで、そいつらをどうしたいんだ?」

「いえ、相手方の後援人になって頂こうかと思いまして」

 ん? 何でわざわざ敵に塩を送るような真似を? と疑問に思ったが、またバカにされる気がしたので黙っておく。


「……簡単ですよ、彼らには選挙当日に裏切って頂くのです。やっぱり旧マスターの応援はできない、と」

「あーなるほ。でもそんな簡単に後援人になれるのか? さすがに相手にもそれ相応の人材がいる気がするけど……」

 結局説明してもらえたわ。確かに、それができれば勝利はさらに近づくけど……。


「こんなこともあろうかと、先日からドスとトレスが動いています」

「……あの2人か……」


 ドスとトレス。

 『トロイア』のハニトラ担当。


「そっか……」

「えぇ、既に旧マスターとの接触に成功。このまま仲を深めて貰って、当日の後援人を彼らにしてくれと頼む(脅す)ために行動中です」

 うん、頼むと書いて脅すと聞こえたぞ!


 セイスえもんは別として、最近は『トロイア』メンバーとは直接関わる機会はあまりなかったりする。

 基本的に各地に散ってたり、どこいるかわからんやつとかいるし。


 なので、ドスとトレスのことも近況はほとんど知らない。


 ◆◇◆◇


「キャー♡ 久しぶりのアレクさまだぁ♡ 相変わらず間の抜けた顔をしてらっしゃる! ぷっぷー!」


 ドスかトレスである。


 2人は男女の双子で顔も身体も性格も非常に似ている。基本的には可愛いらしい女の子の格好をしている。

 ツインテールにゴスロリな服装。完全に男の娘。


 首尾の確認と久しぶりの顔合わせも兼ね、セイスが呼び出してくれた。

 失礼なことを言われてるが、反応したら負けな気がする。


「おう、久しぶり! すまないがドスとトレス、どっちだ? あとまぬけって言うな!」

 いかん、つい反応しちゃった。

 1人しか姿を見せないドスかトレスに問いかける。


「ぷぷ! 可愛い女の子の冗談も受け流せないなんて……アレク様のざぁこ♡ ざぁ~こ♡」

 ぐぬぬぬっ! むかつくーっ!


 メイちゃんやアンジェたちは置いてきて正解だった。彼女らには刺激が強すぎる……。

 ていうか、メイちゃんがドスとトレスを八つ裂きにする未来しか見えない。2人合わせて十六部裂き。


「よわよわなアレクさまに特別に教えてあげる♡ 今はドストレスだよっ♡」

 確かにド級にストレスが溜まるけども! 溜まるけども!


「アレク様、彼女らは任務中は1人だけ姿を現して行動し、必要に応じて入れ変わるのです。その時に使用している名称がドストレス」

「わぁ~♡ さすがセイスのおじさん♡ よわよわアレクさまとは大違い♡」


 ピキッとセイスおじさんの眼鏡にヒビが入る音がした。

 老けてるけどまだおじさんじゃないもんな……老けてるけど。しかし反応したら負けだぞ!


「……コホン。ドストレス、首尾はどうですか?」

 おぉ、何とか持ちこたえたぞ! さすがセイス!


「問題ないよっ♡ あのおじさんはもうドストレスにメロメロなんだからっ♡ 汚いおじさんはみんな考えること一緒だねっ」

 一瞬ドスかトレスの顔に影が宿るが、すぐに人を小ばかにしたような笑顔を作る。


 ん~、やっぱ胸糞悪いわ。例えひと時でもクソ野郎にいい思いをさせる必要もないよ。


「……なぁ、やっぱりハニトラやめないか? 他に方法なんていくらでも……」

「あっれ~♡ アレクさまったら勘違いしちゃったぁ?♡ トレスにクソ汚いクソ親父なんか触らせる訳ないじゃん♡」

 え? え?


「普段は女のトレスが対象に取り入り、危険な場面では男のドスに交代する。姿も性格も声もそっくりな2人だから可能な諜報活動です」

 そりゃすげぇ。意味があるかどうかわからんがすげぇ。


「私たちの愛の力でできるんだよ~♡ それとちょっとの幻惑魔法♡」

 そう、この2人は実の双子である。そして、そういう意味で愛し合っている。


「だから、アレク様。僕が」

「私が」

 どこからともなくもう1人のトレスかドスが現れ、2人してまじめな顔をする。


「ありのまま生きられる世界をくれて」

「「ありがとう」」

「アレク様に」

「「永遠の忠誠を」」


 ……そう思うんなら、もうちっとだけ俺への言動をだなぁ……!


「うむ。身体と、お互いを大切にな」

「「わかってるよぉ♡ よわよわアレクさま♡」」




 ぬがぁぁァァアーーーッ!!!

読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/


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