表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/219

第38話 闘技大会①


「お金がありません」


 クネクネの事を含め、状況の確認が終わったのでいよいよ本格的な活動再開! と思いきや、メイちゃんにそんなことを言われる。


「おかねぇ?」

「急いで出てきたので貴重品などはある程度持ってこれたのですが、細かいものを持って行く余裕がありませんでした」

「私も大事な宝物の宝石や魔道具、手織り機くらいですわ!」

 手織り機て。てか売れそうなのあるじゃん。


「宝石売る?」

「やーですの!」

 残念。まぁ、宝物言ってますしね。チラッと見えたそれらは全部俺が上げたやつ。

 いじらしい奴め!


「そこで耳よりの情報があります」


 ◆◇◆◇


「さあ、始まりました! 冒険者ギルド主催! 闘技大会! 野郎ども、準備はいいかぁー!!!」

「「「うぉぉぉおおおお!!!」」」


 メイちゃんが持ってきた情報、それは闘技大会。何とも都合のいい、じゃなくて、タイミングがいい!

 まぁ、腐っても大国、こういう大会は開きやすいんだろう。今まで見たことなかったけど!


「優勝者には賞金が貰えるのと、賭けでお金を稼ぐことができます」

「おぉ~!」

 自分に賭けて優勝すればまぁまぁお金が稼げそうだ。


 ふむ。しかし……せっかくの闘技大会、魔法抜きで自分の実力を測るいい機会でもある。

 さて、どうするか……。


「せっかくだから、お金目当てじゃなくって実力を測ってみるか」

「かしこまりました。確かに人間と本気の手合わせをする機会なんてなかなかないですものね」


 ◆◇◆◇


 予選は人数が多いこともあり、各ブロックに分かれたバトルロイヤル形式。要は何十人かで一斉に戦い、最後に残っていた2人が本線へと出場する。

 予選はサクッと割愛!


 本選は16人でのトーナメント戦となり、くじ引きの結果俺は1番。第1王子の1番。メイちゃんが16番となった。


「決勝で当たるかもね!」

「……そうなったらさすがに譲ります」


 賭けについては1試合ごとに行われるが、基本的に盛り上がるのはやはり決勝戦。なのでそれまで資金を温存しておこうと思う。




 さて、早速俺の出番だ!。


「第1試合! 1番手! 顔を隠した謎の男! サンダー選手!」

 俺です。さすがに逃亡中の身なので顔と本名は隠しております。


「2番手! 王国にこの人あり! 騎士団長! チョーダ選手!」

「オェェェエエエエエ!」

「あぁっと! 早速サンダー選手嘔吐した! 大物相手にメンタルが耐えられなかったかっ!?」


 覚えているだろうか……。

 俺が3歳の頃から5歳くらいまで、地獄のようなトレーニングを課してきた指導役。それが、あいつ……。


 騎士団長、チョーダ!


 あの辛い日々を思い出してつい吐いてしまった……覆面の中が臭い……。


「ふん。どうせ吐くなら敵に向かって目くらましに使えばよかろうに。所詮冒険者のひよっこよ!」

「サンダー選手、やれますか?」

「コヒュッ、コヒュッ……や、やれまずぅぅ……」

 そう言えただけ、俺は頑張ったと思う。何だよお前、3歳児に吐かせるまで剣振らせるって! 死ぬぞ!


「では! よーい……始めっ!」




 勝負は一瞬だった。


 生まれたての小鹿のようにプルプル震える俺を容赦なく打ちのめすチョーダ。

 成すすべもなく吹っ飛ばされ、場外負け。恐らく史上最速の敗北だろう……。


 いいんだ、俺は勝ったんだ……逃げなかったんだもの……。


 ◆◇◆◇


「すまない、負けてしまった」


 控室で汚れを落とし、メイとエリーの所へ戻る。


「キュッキュッ! (よしよし~)」

「……ぷぷっ坊ちゃま臭いです。ぷぷっ」

「……」

 クネクネが優しく慰めてくれているにも拘らず、俺をバカにしてくるメイちゃん。

 違う、俺は勝ったんだ! なのに何で笑うんだよぉ~!


「後は私にお任せをぷふ」

「言ったな! 優勝以外は負けだからな! 絶対だぞ!」


 そこで俺ははたと、エリーはどうしたのかとそちらを見やる。


「あばばばばアバババババババ……ですの……」

「ど、どうしたのエリー!? お嬢様がしてはいけない顔と声をしているぞ!?」

 魂飛び出てるんだけど!?


「アレ、アレアレアレクがままままま、負け……!?」

「お、おう……実質優勝だけど勝負には負けちゃったよ、あはは……」

 それがショックだったんだろうか。一応今回は優勝目的ではないことは知っているはずだが……。


「……」

「……」


「……宝石、賭けちゃいましたの……」

「……え!?」

 え!?


「アレクに貰った大切な宝石……賭けちゃいましたの……」

「賭けって……えっ!? もしかして!?」

「……負けちゃいましたの……」


 負けちゃいましたの……負けちゃいました……負けちゃ……負け…………。


「ど、どのくらい?」

「もちろん! 全部……ですわぁ~……」


 この大会の賭けはまぁまぁ規模が大きいこともあり、金貨の代わりに宝石などの貴重品を賭けに出すことも認められていた。相場よりも若干安いみたいだけど。さすがに1回戦では負けないと踏んだのだろう、つい賭けてしまったようだ。


 ……うん、あまりのことに逆に冷静になってきた。


「……エリーの大切な物だから、何とか取り返したい。何としても賭けに勝って大金を稼がなければいけない。しかし元になる金がほとんどない。そこで俺は考えた」

 メイの方を見て、覚悟を決める。




「?」

 正気かどうかはわからないが……。

読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/


ブックマーク、誤字報告や温かい感想を頂けると跳んで喜びます!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ