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『紅蓮の巣窟』ボス エキドナ

気づいたら初投稿から一週間が経っていました。

申し訳ありません。

『アースガルズ』を結成し村から旅経ってからはや数十年の月日が経った。

今では、もう『アースガルズ』はSSパーティーまでに上り詰め国王や民たちから厚い信頼と信用を得るようにまで成長した。


そして、今俺たちはSS級ダンジョン『紅蓮の巣窟』でボス部屋の前にいる。

そこで俺、ヴィルヘルム・ヴァン・クロードー通称ヴァンーは『アースガルズ』リーダー、ゼファールから驚きの言葉を言い渡された。



「ヴィル、お前をここで追放する!!」


「な、んだと!?正気か!?今、俺たちはボス部屋の前にいるんだぞ!わかってるのか!!」


「あぁ、わかってるとも。だから、ここで追放するんだよ。」



俺はゼファールから「追放」の二文字を聞いた瞬間なにかの間違いか冗談なのかと思った。

だって、普通ボス部屋の前で追放するやつがいるか?!答えは否だ。それに、今まで共に戦ってきた仲間に対してこれはいかにも酷な行為だからだ。

それにリーダーのゼファールは幼いころから誰かをからかったり、いじったりするのが大好きな性格をしていた。だから、今回もその類いだと思っていた。しかし、彼の眼を見るとそこには冗談ではなく口元をニヤつかせてこちらをじっと見つめていた。


理不尽な、そう感じた。

とりあえず理由を聞かないとー



「なんで俺は追放されるんだ?」


「そんなこともわからないのか?」


「なに?どういうことだ?」


「どうもこうもあるまい。お前は役立たずなんだよ!3つのスキルを貰ったから期待してみれば未だになんの魔物のテイムできず、精霊の力を借りることもできず、『反魂士』に至っては謎スキルのままだ。現状、お前がしてることは荷物持ちと雑用だけだ!!それならお前じゃなくてもできる!!」


「・・・」



今、俺に向かって怒鳴り込むかのように喋っているのは【剣聖】スキルを授かったエミールだ。

エミールは身長約165cmと一般的かつ容姿端麗で自慢の金髪を肩くらいにまで伸ばし、村人にしては珍しい碧い眼をした美青年でめちゃくちゃ女性や女子にモテる。このパーティーのリーダーをしているゼファールは身長はエミールより160cmと少し低く、黒髪黒眼で右頬に十字の傷跡があり、いかつい顔たちをしている。共に男だ。


そして、このパーティーにはもう一人いる。彼女の名前はエミル。こちらも黒眼をしており、金髪のブロンドヘアを腰当たりにまで伸ばし白いローブを着ている。身長も高くだいたい160cm前後だと本人から聞いたことがある。それに出るとこは出ており胸も大きいため彼女と買い物などに行くと待ちゆく人、特に男が振り返ってまで見る程だ。



そんな彼女は【極魔導士】というスキルを持ちだ。全魔法に対して適正があり、詠唱を必要せず発動させることができる。因みにだが、エミールのことが好きすぎて本来あった名前エイプリルからエミルに変えたらしい・・・


まぁ、あいつらの紹介はこんなものでいいだろう・・・

そして、今追放されそうになってる俺だが・・・


【テイマー】【反魂士】【精霊使い】という3つの珍しいスキルを持っている。が、どうしてなのか道端にいるスライムでさえもテイムできす精霊の力を借りることさえできていない。それにエミールが言った通り【反魂士】に関しては未だにどんなスキルなのかわからない状態にある。


そんな戦闘面ではからっきしな俺だが、そのぶん後方支援を一生懸命やってきたつもりでいた。

ダンジョンの発注に洗濯・掃除・武具の手入れ・ポーションや食材調達・索敵・罠解除・壁役・ゴミ捨て・人脈づくり等々さまざまなことをしてきた。それもこれも全部仲間だと思っていたから。



だから、エミールから言われた言葉にすぐに反論することができなかった。



「わかった、このダンジョンから帰ったらこのパーティーから出ていく。せめて、ボス攻略は一緒にさせてくれ」


この答えが唯一できた答えだ。この言葉以外、出てこなかった。

そのことがすごく惨めに感じた。



「いいだろう。」


それから俺たちはボス部屋に向かった。




部屋の中には国王なんかが座ってそうな所々壊れたイスが置かれていたが、誰も座ってはいなかった。各自部屋の中をキョロキョロしていると急に部屋の中の温度が上昇し始め、先程まで誰も座っていなかったイスから誰かに話しかけられた。


突然のことに呆然と立ち尽くしているメンバーたち。このメンバーの誰もがいつ出て来たのか、どこから出て来たのか、あのモンスターはなんなのか理解できなかった。



「其方らは、何者だ?ここは我の住処なり。即刻、退場願おうかの」


再度、驚き固まるメンバーたち。

普通、モンスターは人語を話すことはない。いや、知能の高いモンスター例えば、ドラゴンや魔族、幻獣・神獣なんかは話すことはある。しかし、今目の前にいるモンスターはそのどれにも当てはまらない・・・


今目の前にいるのは、上半身は人の女性姿をしており下半身は大蛇のように長く臙脂色の尻尾をウネウネとさせている。それに加え、髪はスノーホワイト色に少し水色を足した色をしており、赤い太陽の形をモチーフにしたもので髪を結わきポニーテールにしている。眼はライトブルー色をしており、額には瞳と同じ色の宝石をネックレスみたいに頭に巻いている。手には、赤と黒が混じったような色をしている短剣が二本両手に握られている。



暫く沈黙していると聞こえていないと判断したのかモンスターがもう一度声をかけてきた



「其方らは、何者だ?ここは我の住処なり。即刻、退場願おうかの」


その声に反応したのは、エミールだった。


「俺たちはSSランクパーティー『アースガルズ』だ!!お前を討伐に来た!!覚悟しろモンスターめ!!」


「ほう、我を討伐に来たか・・・なら、存分に相手をしてやるぞ。だがな、我をモンスターなどと一緒にするな!我は、誇り高きナーガ系最強種エキドナであるぞ!!」



「ナーガ系・・最強・・」



今、目の前にいるエキドナが名乗ったナーガ種。これはマズイ状況だ・・・


一般的に平原やダンジョン内にいるナーガ種の主な戦い方は毒や火傷、混乱といった状態異常を使い相手の動きを制限しながら相手を丸呑みにするのが主だが、稀に魔法や弓といった遠距離攻撃をする者もいる。そして、一番厄介なのはナーガ種は他の魔物と違い尾の色と長さで強さが変わってくる変化型魔物であるということ。それに加え、戦闘中にも関わらず養分さえ取れれば段階を経て強くなってしまうことのだ。


強さ順に並べるとこのようになる。


尾が緑で長さが人間の小指ぐらい>尾が瑠璃色で長さが一般男性の身長と同じぐらいの長さ>長さは前段階と同じだが尾が杏子色>尾が桜桃色で長さが槍と同じくらいの長さ>尾が臙脂色えんじんいろで長さが槍よりも長い。最低でも大蛇ぐらいの長さ。



といった感じになる。

そして、それぞれを討伐する者に基準が設けられている。


スライムやゴブリンに勝てる者(子どもなど)>駆け出し冒険者(E、F級冒険者)でもギリギリ。ベテラン(C、D級冒険者)なら勝てて当たり前>ベテランでもギリギリレベル。上級冒険者(B級冒険者以上)なら勝てて当たり前>上級冒険者が死ぬ気で戦ってやっと勝てるレベル。


といった感じになっている。

そんな状況の中、今俺たちの前にいるエキドナは尾が臙脂色かつ長さが大蛇くらいはある。つまり、ナーガ系のトップに君臨している魔物ということである。

そんな魔物が目の前にいる。



今の自分たちとの戦力差が瞬時にわかったエミルとエミールは顔を青褪めさせ、膝がガクガクと震えている。それもそうだ。ここに来るまでMPもポーションや解毒剤といった持ち物も底をついていた。そんな状況でこのエキドナに勝つことは不可能だ。

しかし、リーダーのゼファールだけは勝てると思っているのか剣を正位に構えやる気に満ちている。



「こんなやつに俺たち『アースガルズ』が負けるはずがねぇ!!気を引き締めろ!!」



一応喝を入れてはいるが、未だにエミールとエミル、俺は立ち直れずにいる。

エキドナはそれを戦闘の意思ありと感じ取ったのか短剣二本を構え、ゼファールに斬りかかった。

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