↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第三部開始!】デッドエンド済み負け犬令嬢、隣国で冒険者にジョブチェンジします。  作者: 古森真朝
第五章:

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/371

森の迷宮(メイズ)にご用心②


 そんなやり取りをしていると、前の方から呼ぶ声が聞こえた。


 「おーい、入り口についたってさ。集まってくれー」


 のほほんとしたディアスさんの声に小走りで集合する。まさにさっき見ていた崖の真下あたりに、垂れ下がったキヅタの葉っぱで隠れるみたいな洞窟がぽかっと開いているのがわかった。人ひとりがちょっと屈んで、ぎりぎり通れるくらいの高さと幅だ。


 「フェリクス殿、ここで相違ないだろうか」


 「はい、間違いありません。入ってしばらくは直線の通路で、日の光が届く範囲は問題なく進んでいけます。

 が、扉を一つくぐればほぼ光源がありません。何かしらのご用意を」


 「心得た。フィアメッタ、ティノ、頼めるか」


 「はいはい、お任せ」


 『おっけーでーす』


 ティノくんが頭に飛び移った男子二人を先頭に、真ん中にリラとわたしをおいてフィア、しんがりがフェリクスさんという順番で中に入ることになった。


 岩のすき間、というよりは、人工的に削って作ったように見える細い通路を静かに移動していく。ツタの葉っぱを透かして足元を照らしていた日光が弱くなり、どんどん薄暗さを増していく。


 背伸びして前の方を覗くと、さらに暗くなっている前方に大きな石板のようなものが見えている。あれが最初の扉ってことなんだろうな、たぶん。


 ……ファンタジー系のゲームに理論的ツッコミを入れるのはどうかと思うけど。ああいうの、取っ手とかないのにどうやって開けてるんだろうか。


 そんなことをぼんやり考えていた時だ。後ろでフィアメッタが振り返った気配があって、こっそり聞く声がした。


 「……フェリクスさん、大丈夫? 見えづらいなら、もう明かり点けとこうか?」


 「……え?」


 「フィアなんで分かったの!?」


 「いや、なんとなくだけど。すり足気味だったから、慎重に歩いてるのかなって」


 わたしも相当ビックリしたけど、当の詩人さんはもっと驚いたようだ。白銀の目を丸くする相手に、『あたしちょっとだけ耳がいいらしいから』と、ほっぺをかきながらぽそぽそ返す炎担当である。


 実はそのとおりで、このひとは暗いところではほとんど目が利かない体質、という設定だった。夜の時間帯にバトルが始まると、基本ステータスの数値よりも機動力ががくんと下がるのだ。もちろん知ってたし気にしてはいたけど、本人も慣れてるだろうし、あんまり気を遣われると逆に嫌かもしれないと思って様子を見ていたのである。

 

 でも、当の本人はとても嬉しそうだった。


 「ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただいてよろしいでしょうか」


 「うん、任せといて。エルドおいでー」


 『くわーっ』


 控えめに鳴いて飛び出した火の鳥が、狭い通路をほんのり紅い光で照らしだした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。