たくさんの魂
異世界召喚された主人公が記憶を取り戻していくストーリーです。
「はぁ…また失敗かよ…」
「何でこんな無駄なことに、金が使われるんだろうなぁ…」
「そんなこと言ってないでさっさと片そうぜ、気味が悪い」
薄れ行く意識の中、この会話の意味を考えながら俺の意識は闇へと沈んだ
「こ、ここどこだ?…て言うか、俺?私?、誰だ?」
ひどく頭がいたい、そして自分の名前を思い出そうとしても、色んな名前が浮かんでくる。状況を整理するために立ち上がる。身長はあまり高くはなく、
「あーーあー」
声もあまり低くないし、髪型も中性的だ。
自分の性別を確認するために、己の胯間を触ってみる。
「"俺"で良さそうだな…」
性別がわかったところで、自分の記憶をたどってみる。
「……に…ほん?」
断片的に思い出せることもあるようだ。
つまり、記憶がなくなったのではなく、記憶にロックがかかっているようだ。
「ところでここは…森か?喉が乾いた… 近くに川でもないだろうか」
そんなことを考えていると
「ん?何だ…あの青いの」
青い火の玉のような物が、俺の回りを回転しだした。
「こっちへ来い、ってことか?やることもないし、いってみるか!」
そのまま、木々を避けながら、火の玉についていったら、そこには大きな川があった。
「うわぁ、お前さっき俺が喉乾いたって言ってたから、案内してくれたのか!ありがとうな」
火の玉に感謝しつつ、川に近付き、水を飲んだ。
「火の玉だと呼びずらいから、タマって呼ぶな!」
名前をつけてやるとタマは跳び跳ねて喜んだ。
そんな呑気なことを、やっていると、後ろから唸り声が聞こえた。
「グァルルゥ」
唸り声をあげたのは、"記憶"にはない動物で、大きくて狂暴そうで、 鋭い爪をこちらに向けていた。
あまりの迫力に、 しりもちをついてしまい、動けない、それでもなんとか逃げようと、後ろを向き這いずる。だが、抵抗虚しく、後ろから思いっきり突進され俺のからだが中に浮く、運悪く頭から思いっきり着地してしまい、俺の意識は再び、闇へと沈んだ。




