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ここドコよ?!あ、わかります。親愛なるゴブ隣人タツローナ


――ハッっと俺は目が覚めた。

「――ここは?」

綺麗な空が広がり潮風が気持ちぃ今日この頃。

晴天に恵まれながら体を俺は起こした。

まず、思ったのが

「何故全裸?」


頭がズキズキする。

しかも顔や体、全身が痛ぇ。

「――。思い出してきた」


…… そういえば昨日、マーメイドタワーを全て一気に飲み干し、記憶と理性が完全崩壊した。

俺の記憶はそこから途切れ途切れで断片的だが、飲み干した後、お会計時の金額が見たこともない金額だった。


――て言うか、俺この世界の金額分かんねぇし。何、円? ドル? ペソ? ゴブ? そんなの知らん! 円しか俺知らないもん。この世界の基準見たことねぇんだもん。


――まぁそれは置いといて。


ノーマネーな俺は、ガードマンか? 裏ボスか? 訳の分からん屈強なタコやクロダイに文字通りタコ殴りにされた。

あれは痛かったね。


――あんなラッシュでボコボコにするやつなんてアニメでしか見たことねぇよ。

そのまま気絶した俺は、身ぐるみ全て剥がされ、人身売買ならぬゴブリン売買に出され、今こうして船の上で目が覚めたわけだ。


「んんーーー納得」


船を見渡すと、同じようなゴブリンたちが、船に乗させられている。

鎖等で縛られたり拘束はされていないようだけど。


「とりあえず、この世界のことをなんか知らねぇとな。世間知らずのただのイケメンゴブリンになりかねない。んー誰か暇そうなやつは~ ――――って、全員売られた訳だし俺含め全員暇か! ――ハハハハハ――」


俺は辺りを舐めるように見渡した。

俺以外にも、船内の床を舐めて回っているやつや、怯えているやつはいたが、一人だけ空を眺めて動じない奴がいた。


――あいつだ! 


俺はすかさず声をかけた。


「ねぇ。――君。ゴブリンでしょ?」

「――ん? そんなの見れば分かるだろ?」

「いや~俺。意識失った衝撃で記憶喪失っぽいんだけどさ。同情で――助けてくれよ」

「オイラにどうしてほしんだよ――。力なんてなれないぞ。オイラ含めてここにいるやつらは皆そうさ。おいたして、売り飛ばされたゴミクズ連中ばっかりだよ。オイラも、あのマーメイドファゥンタァンなんかに行かなければぁ……」


――ひっぅ――とゴブリンが泣き出した。

「――ぅぅうう。しかも、こんな海のど真ん中じゃ逃げれないし。海に飛び込んだ奴は、シャークドリルの餌になっちまうし」


「あぁー! だから縛られてないんだ! 納得!」

俺は一歩進んだ気がした。こんな時だから極力、周りから情報を得なくては。


「て言うかお前もあの街に居たんだな! 俺も記憶が断片的だけど、マーメイドファゥンタァンに行ってたぜ」

「マジなのかぃ!」


急に距離が縮まったな。


「聞きたいことが山程あるんだ。あの街はどんな街なんだ?」

「ぅぅ――。おけ、深呼吸できた。ーあの街は――――」


―――――――省略―――――――――


俺が簡単に説明するに。

あの街では、主に人間以外の種族が共存で生活する都市【キャメロットマン】。

そこでは、ゴブリン族が半数を占めており、他にも俺が出会った人魚を含めタコや魚の魚人属や根暗族、ウルフ族、バッタタバカッタ族、カブトムッシュ族、カンガルンルン族、言い出したらキリがない。――ってか、俺が覚えらねぇ。


まぁ色々な種族が住まうのが、キャメロットマンのようなのだが。

俺が特に引かれたのが、エルフ・マーメイドの大人ビーチと言う店が、まさに天国らしく、至高のようらしい。


ゴブリンな俺でも、まさに今、生きる意味が生まれた気がした。


おぎゃーっと産声を上げたい気分だぜ。


俺はあの街に帰る理由が出来た。

そのためにはコイツと行動するのが――吉っとハッキリ頭でよぎった。


「そういえば、お前の名前を聞いていなかったな。名前は? 俺の名はクーガ」

「オイラはホブゴブリンのタツローナ。クーガはゴブリンでもオークだろぉ?」

「何? オークって?」


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