邂逅−3
──────“それ”は、これまで何度も見てきた姿だった。
“それ”以外の、似たようなものも何度も見てきた。
“それ”は、所謂物の怪、妖といわれるようなものだった。
私は、妖と人間の間で起きる事件を片付ける事が仕事だった。
(体が軽く感じる。今までのどんな時よりも、体が自由に動かせる。)
刀と鬼の爪が当たる。
耳障りなガキンというような音が鳴る。
「ウガァッ!」
「…うるさいわよ。」
ちらりと、結城と綾奈を見る。
(…あまり、こんなものは見て欲しくなかったけれど、二人が危ないと思って焦ってしまったから…。大丈夫かしら…。)
思わず鬼の振りかぶった腕を切り落としてしまったが、失敗だった。
そもそも鬼を見るのすら初めてで混乱していただろう所に、とどめの切り落とされた腕だ。
(早く、終わらせてしまおう。長引かせるのは、二人のためにもよくないし、この後何が待ち受けているのかわからないのだから。うん、体力は残しておかないとね。)
考えている間に、鬼がこちらに振りかぶる。
それを弾いて、鬼と少し距離を取る。
グッと、蹲み込み足に力を込めて、…跳ぶ。
─────チリン
鬼の頭上に目掛けて跳び、刀を振りかぶった時、鈴の音が、頭に響いた。
鮮血が散る。
「っと…。ふぅ…。」
ヒュン、と刀を振って血を落とす。
すると刀は桜の花弁に包まれて、消える。
振り返ると、鬼も消えていっていた。
歩み寄ると、鬼と目が合う。
─────チリン
鈴がまた、頭に鳴り響いた。
戦闘シーンを表現することは難しいですね…。
頑張ります!!