いびつな家族3
お願いします!!
「蒼梧君は、この国の制度について、どの程度理解をしている?」
今までにない鋭い口調で誠二さんが語りかけてくる、目はいつものように優しい目をしているのだが、龍二の手紙を渡したときと似た雰囲気を感じた。
「すいません、俺は今何歳なのかもわかってないんです、記憶がほとんどないんです。なんていうか、ここ数ヶ月で自分がこの世に生まれてきたって、錯覚するくらい何もないんです。拉致されていた、場所で少しだけ情報は得ていたんですけど。」
自分の空虚な胸に手を添える、ほんとに何もない驚くほどにこの心には何もないんだ、夢も過去も本当の名前も手がかりすらのこっていないんだ。誠二さんを見ると全てを悟った悲しい表情をしている。
「あの手紙は、そういう意味も入っていたんだね。それなら一つずつ、順を追って説明していこうか。」
目から優しさが消え、震える真剣な目で誠二さんは、俺を見つめる。
「まず今2058年12月3日、このことはしってるかい?」
自分の想定していたものより違っていた。そうすると、克馬亭で得ていた情報も30年前のありえないくらい遅れた情報だった。
「全く知りません。」
誠二さんは、軽く相槌を打ちポケットから、棒状の道具を机に出し、ボタンを押すとフォログラムのようなものが出てきた、戸惑っている俺を置き去りにし道具から出た光を掴みながら語りかける。
「これを見てほしい今この国というより、全世界は一つの組織と7年前から大規模な戦争を行なっている。説明している私もまだ信じられないが、この戦争が始まってから、世界総人口約92億人から4割程度が、減少してしまっているんだ。」
一つののそしのせいで、人口の4割がどういうことだ、しかも戦時中どうなっているんだよこの世界。
「そして戦争と切っても切り離せないのが徴兵だ、今は男女関係なく能力にランクをつけ適正であれば、徴兵を行うことになっている。」
となるとここまで、誠二さんが真剣になってくれたのも察しがつく。
「ということは、おそらく俺は徴兵の可能性があるそういうことですね。」
俺が普段の会話をするようにしていたのが、気味が悪かったのか誠司さんは驚いた表情で頷いた。だって仕方ない待っている人も求めてる物も何もない俺が、悲観するわけがないのだから。すると重そうにしている唇を誠二さんは動かす。
「でも、君は幸い身元不明の情報も一切ない人間だ。龍二を探していた数年間、何度もこの国の行方不明者を見てきたが、君の顔や名前の情報は一切なかった。おそらく、国の機関に情報が行かなければ徴兵されることはないと思う。私は龍二からの手紙で君のことを託されたんだ。今後のことについて少しだけ待ってくれないか?」
誠二さんは、今にも溶けて消えてしまいそうだ。情報が一切ないのはもしかしたら克馬が龍二を使い記憶を消し飛ばしただけではなく、何かしらの力で顔も変えてしまった可能性があるな。でもなんでこの人は俺にここまでしてくれるんだ手紙があったとはいえ、あって昨日の今日でここまでしてくれるか。もしかしたら、龍二への罪悪感を俺に、それでも今にも消えそうなこの人を助けれるなら。
「わかりました、お願いします。」
そう答えると、誠二さんはにこやかな表情に戻った。
「わかった、それじゃ朝の自己紹介の仕切り直しをもう一度しようか、君まだ彼女たちの名前まだ知らないでしょ。」
そういえば、だがいいのだろうか彼女たちは名前を教えてくれそうにもなかったが。
「昼にもう一度彼女たちを呼ぶから、ここでくつろいでいてくれ。」
誠二さんは少しはにかみキッツの方へ向かっていった。俺は対照的に沸々の胸の底から何かが込み上げてくる。不快といえばいいのだろうが、そんな軽いものではないドス黒い何かが自分の心の真ん中に積もっていく。
俺ってほんと誰なんだろうなーー
お久しぶりです。何年振りなんでしょうか。少しここ数年忙しく書く暇がなかったので、やっとかけて感無量であります。
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読んでいただきありがとうございました!!




