この体の記憶
結界の中でソニア達3人はそれぞれ力の制御を習得しつつ、タイマンで勝負をしていた。
青と赤のソニア、緑と赤のソニア、緑と青のソニアで魔法を駆使しながらの戦闘をして戦闘技術を鍛え強くなろうと全員が励んだ。
何故強くなろうと考えたのか、それは全員の頭の中にある記憶が原因だった。孝宏達自身が経験した物では無く記録として残っている、その様な感覚だ。
その記憶にはこの世界、全宇宙の創世からずっと続いているあらゆる出来事が事細かく記憶されていたのだ。
全員はそれを引き出しを開けるかの様にその記憶を辿った。
まず全宇宙が無の広大な空間で起きた巨大な爆発によって作られた物である、そしてその爆発と同時に生まれた生命。
クイーンソニアと自身で名付けた生命体はその後の数多の生命の起源となる生命体であり、赤、青、緑のソニア達が一つであった頃の姿であると記憶に残っていた。
確かにスキルに三位一体というスキルがありそれを使えばそのクイーンソニアになれるのだろうと3人はそう考えた。
その後クイーンソニアは数多の生命の苗床となる惑星、恒星を造りそこに生命を宿らせた。
クイーンソニアは何事も一人でやるには辛い事があると思い自身を3つの存在に分けた。
『火のソニア』、『水のソニア』、『地のソニア』の3つに分け役割を分担して急速にその生命を増やしていった。
その3人のソニアの補助が要らなくなる程まで文明が発展した時、生命の中で繁殖力があった人間達から『3人の女神様』と崇められる様になった。
補助の必要を感じなくなった3人のソニアは生命を見守りつつ永い時を生き、山奥に作った社で一時的な眠りに着いた。
だがその一時的な眠りの時に3人のソニアから心が失われ植物状態になってしまった。
クイーンソニアの心は元は1つの心でそれを3つに分けた結果独自に成長した為、元に戻らず修復できなくなった。
ソニアの心は作った社に付喪神の様に取り付き、社の周りを結界で覆い自分の体に合う新しい心を持つ者達だけが通れる結界にしその者達を案内する為ずっと待ち続けた。
そしてそのソニア達の体に合う心を持つ者達、すなわち孝宏、正治、誠の3人が選ばれ結界に阻まれる事無く、その社に辿り着きそのソニアの体を3人の高校生に託した。
何か宇宙の均衡が崩される危機が起きた時それを防げるかどうかが、ソニア達には強くならなきゃいけなかった。
それを知った3人はこの体を使いこなせなくちゃいけない重い責任を感じ、強くなろうと鍛錬を励むきっかけとなったのだ。
この体には沢山の記憶が記録として残っているという事をどう生かすかが、孝宏達3人の行く末を左右します。




