First Story
2007年9月26日―――――
圭月空翔 永眠 享年15歳
君が亡くなったのは私の誕生日。
私の誕生日が来ると哀しくなるんだ。
『空翔はもういないんだよな』って実感しちゃうから。
君はもういないのに、隣にいるんだと思ってしまう。
最後に君はこう言ったよね。
『俺の分まで生きてくれ』って。
だから約束守るよ。無言の約束だけれど。
君の分まで生きてみせるよ。だから見ていてね―――――
◆◇◆
文化祭一週間前のとある中学校。名前は紫衣奈学園。ちなみに女子校で全寮制。
そんなわけで、この文化祭がいろいろな意味で彼氏をGETする貴重な時間になる。
この学校の文化祭はかなり変わっている。
1日目はいわゆる体育祭。2.3日目が文化祭にあたる。
ま、簡単に言うと体育祭も文化祭も一緒にやってしまおうということ。
2人の少女がいろいろな荷物を抱えて廊下を歩いていた。
少女の名前は宇月桜空
もう1人の少女は宇月柚空
見て分かるとおり2人は双子。でも生まれた日が1日違う不思議な双子。
つけている学級章が違うのでどちらかは分かるものの制服を着ていないと
まったく分からないくらい似ている一卵性の双子。
桜空のほうが事実上は姉に当たる。誕生日は9月26日。
柚空は妹。誕生日はもちろん9月27日。
「ひどいもんだね、亜姫は…;」
「しょうがないじゃん。2クラス合同だから必要なものも多いんでしょう?」
「いいねぇ〜柚空は悠々自適で…うらやましいわ〜」
「ふふっ☆そうかなぁ?」
「絶対そうっ!」
2人は会話をしながらゆっくりと教室へと戻っていった。
きっとクラスでみんなが待っているから。
この文化祭が2人の運命を変えることを知りもしなかったから。
嵐のような恋の始まりが近づいていることを知りもしなかった。