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とあるチートの転生日記  作者: かぱぱん
日記の付録
3/4

転生者。

さて、俺の自己紹介だったっけ。


俺の前世での名前は、中野裕太。

日本の京都のとある私立大学に通う四回生。

卒論と就活戦争真っ只中で奮闘した童貞戦士だった。

勉強が好きな訳ではなかったけど、大学に行くのが普通、みたいな雰囲気がある世の中だ。

人並みに勉強して、本命の公立に落ちて、奨学金をもらって通っていた。


バイトは、祇園の縄手にあるBARでカウンターに突っ立っているだけの、簡単なお仕事だ。


住んでいたのは、市内の西京区にある、桂、と言う所だ。

都会と言うほど栄えているわけじゃないが、田舎、と言うほど何もないわけでもない住宅地の多い土地。

遊ぶとこは、なかったけど。


俺が死んだのは、そんな地元の千代原口。

某有名ラーメンチェーン店から出てきた俺に、トラックが突っ込んできて肉塊になった。

後で聞いたら、居眠り運転だったらしい。

結構大きな事故になった筈だし、ニュースにもなったんじゃないかな。


ちなみに、その場で死んだ他の客や従業員も、他の世界で転生したそうだ。


あまり、前世には未練がない。

全くないって言ったら嘘になるけど、もう仕方ないって感じの方が強いな。

今更、どうにもなんないしね。


ただ、両親や祖父母、一つ下の弟、四つ下の妹、友達の皆、世話になった先生やマスター、可愛がってくれたお客さんには、ちょっと申し訳ないような気持ちがある。

もし、知り合いがいたら、元気にやってると伝えて欲しい。


死んで元気にやってるってのも、おかしな話だけどさ。


前世の話は、こんなもんかな。


今世の話をしよう。


この世界に産まれる直前、俺は神様に会った。

真っ白な地面と、真っ黒な空、そこに素っ裸の俺と、素っ裸の女神。

凄い美人だ。

彼女は、自分を『生命の神』だと名乗った。

全ての生命の誕生と成長を司り、陪神を何柱も抱える、神様の中でも偉い神様だそうだ。


その生命の神は、始め俺に問いかけすらしなかった。


簡単な自己紹介をすると、押し倒され、俺は二十二年間守り抜いた純潔を散らした。

いやぁ、ありがとうございます、しか言う事ないね。


「この子が、来世の貴方よ。」


事が終わった後、自分のお腹に手をやって、女神はそう言って微笑んだ。

つまり、今世の俺は半神と言う訳だ。


俺は、半神としての永遠に近い寿命、人の範疇からかけ離れた膂力と引き換えに、膨大な魔力と魔法適性、幾つかの特殊な能力を手にいれた。

もちろん、女神と交渉して、だ。


不死身の身体なんて真っ平だし、人として強過ぎる力は、日々の生活にも影響する。

必要ないものを与えられても、迷惑なだけだし。


そうして、ヴォーヌ伯爵家の嫡男として産まれた俺は、一種の神童だった。


一歳になる前には走る事ができたし、言葉を覚え、話し始めたのはもっと早かった。

五歳で、剣、槍、矛、斧、弓の扱いはそこそこ極め、指導できる先生がいなくなった。

六歳で、火、水、土、風、雷の基本五属性は達人、光、闇、空間、時間、の四属性も扱え、治癒の魔法に至っては歴史に名を残すとまで言われるほどに上達した。


他に、万能鑑定眼、ドラゴンライド、再生能力など、この世界でも数人、あるいは俺しか持ってないような能力を幾つかもっている。


今は、八歳。


そろそろ、今世の父親が俺の許嫁を見つける頃だ。

他に、今年から乗馬の訓練も始める。


だいたい、こんなもんか。

あとは、追い追い書いて行く事にする。


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