異世界。
さて、まずは俺が生まれた世界について、書いて行こうと思う。
この世界に、名前はない。
地球にだってなかったから、そんなものなんだろう。
いや、一応アースとか、そういうのがそうなるのか?
まぁ、どうでも良いか。
俺が産まれたのは、世界の西の端にある大陸でも、強大国と名高いカイスト王国。
王国の広さは、聞いた限りだと中国の1.5倍ぐらいかな。多分。
文化的には、思いっきり西洋文化。
米はない。
主食は小麦、つまりパンだ。
ちょっと辛い。カレーライスが食べたい。
それと、牛丼。
文明は、何世紀頃とか、そんなのはわかんないけど、火薬はない。
電気もない。
日本で言うと、鎌倉とか室町時代ぐらいか。
上下水道は、完備ではないけど、概念は存在していて、金持ちが住んでる都市には大体あるそうだ。
もちろん、田舎の村にはない。
あと、大事な事だが、魔法はある。
もう一度言う。
魔法はある。
人種も、ヨーロッパ系の白人が多い。
ラテン系の顔つきをした人もいるけど、それは俺が生まれた土地特有らしい。
この王国の、南東の国境付近を領地とする、ヴォーヌ伯爵の正室が生んだ長男として、俺は誕生した。
今世での名前は、マルク・カーティス・ヴォーヌ。
建国の英雄から名前をもらったらしい。
ヴォーヌ家には、他に側室が産んだ子供が二人いる。
長兄ヴィクトラン・ヴォーヌと次兄ヴァランタン・ヴォーヌ。
俺の二つ上と、同い年の兄だ。
ヴォーヌ家は、国境付近を領地にしてるだけあって、武門の家柄だ。
私設騎士団があり、普段は領内の治安維持、有事の際は国境への援軍や、時には侵攻軍の先鋒を務める事もあると言う。
かと言って、別に脳筋一族と言う訳でもない。
ヴォーヌ伯爵家の興りは、約百年前と、貴族の中では新参の部類だが、血縁としては十六家ある公爵家の一、オーブリオン家の縁戚にあたる。
その知己で、領地経営に長けた家臣を紹介してもらっりして、そちらの方は割りと上手くいっているようだ。
まぁ、大体こんなもんかな。
次は俺の自己紹介でもしようと思う。