おわりの、はじまり。
ほんの少し、グロテスク表現あります。
嫌だ、いやだ、イヤダ。
行かないで、逝かないで、イカナイデ。
痛いよ、いたいよ、イタイヨ。
苦しいよ、くるしいよ、クルシイヨ。
炎と煙と泣き叫ぶ声と、ヒトなのかヒト以外の何かなのか、最早判別つかなくなった亡骸が、辺り一面を覆い尽くす。
「何故なのですか…?私達が何をしたと言うのですか…?私達は、ただ、平和に…幸せに暮らしていただけなのに…!!」
辛うじて判別のついた、小さなヒトの形をとった同胞と、彼の一番仲のよかったヒトの子の亡骸を抱きしめながら、私は眼前の醜い笑みを浮かべたヒトを睨み付けた。
「何故はない。お前達は、存在自体が悪なのだよ。人でないものが。人の世で生きている、そんな事が許される訳がなかろう!お前達人ならざるモノは、ここで淘汰される。この、私の手によって!」
醜い笑みを浮かべたヒトは、高笑いをしながら私を、まるでゴミの様に蹴り上げた。
「っ…!!」
蹴り上げられた瞬間、私の腕の中から転げ落ちた小さな亡骸。
彼等を取り戻そうと伸ばした手は、無残にもヒトの持つ剣によって地に縫い付けられた。
そして、小さく何かを呟いたヒトが生み出した炎により、彼等は私の目の前で勢いよく燃えつきた。
「あ…イヤだー!!」
身動きの取れない自分が、何も出来ない自分が、許せなかった。
矢張り、ヒトなぞ信用に値しないイキモノだったのだ。
『ヒトを、憎まないで。信じて。いつかきっと、分かり合える日が来るから』
そうあなたが言ったから、私はヒトを怨まず、憎まず、信じてみようと思ったけれど…
「矢張り、ヒトはしんようできませんよ…篝」
零した小さな呟きは、恐らくは誰の耳にも届かなかっただろう。
私の呟きにかぶさる様に、醜い笑みを浮かべたヒトは、妖を貫くと言う禍々しい気を放つ銀色の剣で、私を串刺したのだから。
まるで壊れた玩具の様に。
その口から漏れるモノは、最早言葉と分別のつかない音の羅列。
さも嬉しい事があったかの様に。
ヒトは何度も何度も私を串刺し続けた。
そして、私の記憶は真白く塗り潰された。
あの人の願いに反して、強い強いヒトへの怨みと呪いの言葉を思いながら。
すべての、おわりとはじまりです。
次から、主人公出張ります。