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ひだまりの国  作者: 白波
第1章 始まり
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第7話 時空魔術には意外な欠点がありました

 私は、宿のベットに横たわって昼間の話を思い出す。






「それは…未来へ行けないことと過去への介入が一切できないことだ…。」


 ヴァーテルがそう言ったのだが、私の理解が追い付かなかった。


「つまり…どういうこと?」

「言った通りの事だ…時間旅行(タイムトラベル)は、ただ、時を渡る時渡りと違って好きな場所に行くことができる…だが、過去の人物との接触はおろか、過去のものに一切触れることができないらしい…それと、未来へいけないってのは大体予想通りだ…呪文だけで使える古代魔法と違い近代魔法は呪文よりもその魔法を使った結果を発動時にイメージ出来るかどうかが重要になる…つまり、未来がわかない状態ではイメージが難しいからな…まぁ自分がかかわっていない過去に行くのは、無理ではないが人から聞いた話を元にイメージしなきゃいけないから…それはそれで至難の業だな…。」


 ヴァーテルが丁寧に説明してくれたのでだんだん理解していくことができた…

 つまりは、イメージが大切なのだから、自分の記憶や人から聞いた話をベースにイメージして魔法を展開することができても誰も知らない未来へ行くのは不可能らしい…


「一応聞くけど…私の場合は、魔法属性が時空魔術だけど、それ以外の魔法はつかえないの?」


 これは、結構重要だと思います。

 せっかくならアニメやらマンガやらファンタジーの主人公みたいに数多の魔法を駆使してみたいですし…


「あぁ…魔法属性って言うのは基本的にはその人物の体質での限界とその中で最もその人物に会った魔法を示している。魔法には幾分かランクがあってな…大まかに言うと神話級、上級、中級、下級の4つだ…細かく分けると10個ほどに分かれるんだが…まぁいい…とりあえず時空魔術は、神話級魔法だから、下級魔法から徐々に習得していくのがベストだな…。」


 今、さらっと神話級とか言いましたよね…つまりはほぼすべての魔法が使えたりするわけでしょうか?

 まぁそんなことやりだしたら私の体が持たない気がしますが…






 そこまで、思い出したところで私は寝返りをうつ。


「魔法か…。」


 ヴァーテルの説明を聞いてもいまだにピンとこない。

 やはり、魔法など存在しない科学文明で生まれ育ったため魔法が実在する可能性を考えたことなど幼かった頃を除いてないはずです…

 いきなり知らない世界に来てそこの世界の人にあなたは魔法が使えますと言われて素直に魔法の存在を信じるほど私は素直ではありません…


「どうしたものかなぁ…。」


 でも…仮に本当に私が魔法を使えるとしたら異世界に来てしまったことを説明できる気すらしてきます…

 時空魔術は、時間と空間を多少の制約があるものの自由に飛ぶことのできる魔法です。

 なお、時渡りを主とする時間魔術と時間旅行(タイムトラベル)を主とする時空魔術の具体的な違いとしては、過去への干渉ができる時間魔術に対して時空魔術はそれができない、しかし、どの時代のどこにと言う細かい指定が出来る時空魔術に対して時間魔術は大まかなものでしかないそうです…

 つまりは、ともにメリットとデメリットがあるのでそれをうまいこと補うことも重要な気がします…


 私が、思考にふけっているとき扉をノックする音が聞こえたので返事をする。


「入るぞ…。」


 ヴァーテルが分厚い本を持って部屋に入ってきた。


「えっと…それは?」

「勉強用の資料だ…好きなときに読んでくれたらいい…俺の場合は下級魔法の水魔術が限界だからな…それ以上を教えることはできない…。」


 それだけ言い残してヴァーテルは部屋を出ようとする。


「待って!」


 私が呼び止めるとヴァーテルは立ち止まった。


「ありがとう…。」


 お礼を言ったのだが、特に答えることもなくヴァーテルは部屋を出て行った。

 読んでいただきありがとうございました。


 これからもよろしくお願いします。

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