第七話:『リンチ』
―昼休み―
『ちょっと面かせや』
と言われ俺の腕を掴み屋上に連れこんだ。
『お前、ムカツクんだよ…ちょっと女にもてるから…てよ!』
と話しながら俺を殴る。
俺は両腕を捕まれており殴られ続けた。
(屋上でリンチか…ありきたりだな…)
と頭の中で関係の無いことを考えていた。
ドゴッバグッ
と鈍い音と共に激痛が走る。
(たくっ…殴るのも下手だな…もういいか…)
と傷だらけになった所で腕を掴んでいた男達を吹き飛ばした。
「さて…これで正当防衛だよな?」
と相手を睨んだ。
相手はビビリながらも『うわぁ〜』と殴りかかってきた。
俺はただ殴られた分を全員に倍にして返していった。
十分後…
『ひぁ…や、やめへ…』
ドグゥと鈍い音が響く…
周りにはうめき声をあげながら倒れている男子が十数名…
その中心に本来その役をするはずだった俺がいた。
「相変わらず鬼みたいだな…って鬼だったか」
と上から声がした。
俺は振り返らずに
「やっぱりもう一人はお前か…」
と振り返るとそこには髪は赤紫で肌は少し焼けているのか小麦色で瞳は薄紫っぽい藤色の瞳をしておりブレザーの前を止めずに中のシャツもだらしなく出している。
まるきり不良と言う感じの男子がいた。
「って事は静にはもうあったのか?」
「あぁ…汐紫、お前みたいに遅刻はしないからな…」
こいつの名前は汐紫
明るく無駄に喧嘩を好む奴だ。
約束事にもルーズで平気に遅れてくる。
「さて…もういいだろう…戻るぞ」
と言って汐紫と共に教室に戻った。