第六話:『学校』
まったく…なんでこんなに面倒事が多いのか…
さっきからすれちがう女が全員、俺を見る。
そして小声で
『かっこいい…』
『隣の子、彼女かな?』
と勝手な事ばかり言っている。
俺はうんざりしながらも学校へ向かった。
下駄箱に着くと恵が友達に挨拶する。
俺は職員室に行かなくてはならないので一旦別れた。
数十分後…
「職員室…何処だ」
と迷っていた。
しばらくうろうろしていると
『職員室はそこを右よ』
と聞き覚えのある声がした。
俺が振り向くとそこには
『やっほ〜久しぶり』
静がいた。
静は同じ仕事をしている仲間だ。
黒い長髪に薄く赤い目の女…
普通に見ると可愛いと言う言葉が1番当てはまる。
「まさか…あんたが応援の一人か?」
「ご名答、もう一人にも、もうすぐ会えるわ」
「もう見当はついたけどな…」
と会話をしながら職員室に向かった。
ガララ…
と扉を開けて
『失礼します。』
と同時に挨拶をして用件を伝える。
すると、一人の教師に連れられ一緒に歩き2年4組と書かれている札の所で止まる。
ガララ…
と先に教師がザワザワと騒がしい教室の中に入った。
そして、しばらくして入って来いと合図をされた。
教室の中に入ると女子がキャーキャー声を出す。
次に静が教室に入ると男子が騒ぎだした。
騒がしい教室の中、俺と静は黒板に名前を書いた。
「くれないに舞うと書いて紅舞です。よろしく」
「静寂の静と書いてしずかです。よろしくお願いします」
と自己紹介をする。
そして、窓側の後ろ二席を指差され
『あそこが空いてるな』
と言われて俺達は席に向かった。
その途中で俺を転がせる為に足が出てきたが踏みつけて席に座った。
もちろん、その男子が後で仕返しをしてくるのは予想済みだ…