第21話:『闇』
なんだかんだで店を出る時には辺りは暗くなっていた。
それでも街は明るく人が忙しそうに歩き回っている。
何人、気付いているのだろう…
この世に居てはならない存在がいる事を…
いつもならお互い干渉しないのだが…
ドン…
とサラリーマン風の男とぶつかった…
そして…耳元で…
「狩りは始まった。
いつまで守れるかな?」
と言って裏路地へ消えた。
俺は恵をとっさに抱きしめると…
ガッシャーン!!
と恵がさっきまで居た所にトラックが突っ込んできた。
俺は恵の手を握り、さっきの男を追いかる為、裏路地へ向かった。
街は明るく華やかなのに少し裏を歩けば暗く人も少ない…
光の下に人が集まるなら…
闇の下には人外が集う…
俺達は男を追いかけビルに入った。
ビルはまだ建設中なのか骨組みの鉄筋だけしかなかった。
そして、いつの間にか俺達の周りにはさっきのサラリーマンを含め大量の人がいた…
いや…人だった存在…と言うべきか…
「グールか…」
と俺は呟いた。
グールとはバンパイアに血を吸われ、知性を失い、血を吸った主の命令を忠実に実行する人形…
俺は携帯から刀を呼び出し戦いの構えをとった。
敵が何体居ようが関係ない…
ただ…俺は…
「守りたいモノを守るだけだ!!」
その時、
クスクス…とどこかで誰かが笑った声が聞こえた気がした…
そんな事を気にする前にグール達は襲いかかってきた。
どうやら今回の目標は恵ではなく俺のようだ。
「丁度いい…
恵…下がっててくれ…」
そう言って俺は敵のど真ん中に立った。
そして、力を解放しようとしたが…
どうやっても力が解放できなかった…
「くっ…」
と仕方なく力を解放せずに戦った。
いくらグールとはいえこの数では俺の体力が先に尽きるか…
グールの数が先に尽きるかの争いだった…
いかに俺が力に依存していたのかこの時、痛いほど分かった…