第二話:『新しい依頼』
「私の名前は霧島 恵と言います。
私の依頼は、私の父と母に会いたいと言う依頼です。」
と言われて俺は詳しい話を聞いた。
どうやら何者かに両親をさらわれたらしい。
警察には頼んだらしいが捜索に関係した警察は全員死んだらしい…
「はぐれの仕業だな…」
はぐれとは俺たち鬼で在りながら仕事をせずただ人間を殺す鬼の事だ。
「ややこしいが仕事だが…わかった。引き受けよう」
と仕事を引き受けまずは両親がいなくった日を聞いた。
「今から一ヶ月前だから…8月18日」
「そうか…ちょっと待ってろ…」
と携帯を取り出す。
「あぁ俺だ。悪いが8月18日に動いた鬼を教えてくれ…あぁ、わかった。すまない」
パチンと勢いよく携帯を締める。
「とりあえず、しばらくは情報を集めつつお前を守る。」
そう言って恵の部屋へ向かった。
家は広く、シャンデリアや絵画が金持ちと言うのを強調している。
ガチャ…
と扉を開くと、ベットに机、それに本と広い割にはシンプルだった。
「あまり、ごちゃごちゃするの嫌いだから」
と俺に笑いかける。
俺は『そうか』と一言だけ言って恵の部屋を見渡した。
襲撃に来たときにどうするか等を考える為だ。俺が考えていると若い女の声が聞こえた。
『お嬢様、夕食の準備が出来ました。』
と扉を開けずにそう言った。
「分かりました。」
と返事を返し俺を見る。
「一緒に食事にしません?」
と突然、聞かれた。
昼にまずい魂を食べたこともあり断らなかった。
俺たち鬼は、魂を必ず食わねばならないが、それ以外の物を食べる事もできる。
いわば、デザートの様な物だ。
俺達は職業の事もありまずい魂を食べる事が多いためによく食事を取るのだ。食事の間、恵は鬼の事を散々聞いてきた。
どんな仕事とか
いつから始めたのかとか
俺は質問に答えられる物だけ答えた。
そして、食事を終える時、
「やはり、食事は一人で取るより複数で取った方がいいですね」
と笑顔を見せた。
俺はそんな表情を始めて見たので驚いた。
そして、笑顔のまま目から涙を流し始めた…
俺は両方共したこともない表情…
だから分からないが何故だかひどく悲しい気分に襲われた。