第1話 解決屋
異能・超能力・魔法…etc
様々な呼び名があるが、どれも先天的な物で平々凡々とした一般人には手に入らない…筈だった。
今の時代そんな常識は捨てちまえ。
金さえ払えば能力は簡単に手に入る。
世界の超能力者のDNAサンプルを元に作られた"薬"は今じゃ世界中に流行している。
法律で禁止している国も多いが…麻薬と同じで完全には規制できない。
ここ日本でもそうだ。
そして当然、"能力者"による事件も多くなった…
「また念力の殺人か…」
橙色の坊主頭にラインの入った男。
彼の名は山田太郎。
日本人ではなくアメリカ人だ。
「第1級能力者ですね…お高くなりますよ?」
眼鏡の長い黒髪の女性がパソコンに文字を打ちながらたんたんと喋る。
彼女の名はメリッサ、日本人である。
「頼みますよ〜!じゃなきゃ僕の命が危ないんですぅ!」
気弱そうな青年が山田に懇願する。
「と言われましても…第1級能力者の仕事は40万以上となっておりますので」
「そこをなんとか10万で〜」
彼の名はシラブス・ジラゾン。
通称シラ…今回の依頼人だ。
「お兄ちゃんさぁ…こっちは一応商売でやってる訳よぉ。偽善商売じゃやっていけんて」
「…………山田さんはかなりの女好きと聞きました」
「!」
シラは一枚の写真を取り出した。
「僕の姪です!年は18歳!彼氏もいないバリバリの処女!!」
山田の目が変わる。
「10万で受けてくれるなら!紹介してもいいで…」
「乗ったぁ!!」
「即答!?」
「…馬鹿」
溜め息まじりにメリッサは言った。