赤い屋根の家〜少女ジェニーの冒険 (ショートショート)
少女ジェニーは森から巨人達の住む街へと足を踏み入れた。
生き延びる為には毎日がサバイバルだ。疲れ果てたジェニーは赤い屋根の家に辿り着くが———。
赤い屋根の家
わたしは女の子。名前はジェニーよ。
今はお父さんとお母さん、兄弟姉妹とも離れ離れになってしまい、今は独りぼっち。
1人でいる事はそれ程辛くはないけど、いつもお腹をすかせているの。
森から街に入って来たけど、この街には巨人が住んでるの。
彼等は私を見つけると襲ってくるのよ。
わたしとっても怖い……。
でも彼ら、あまり動きが速くないから、見つかったら一目散に逃げるの。
それに彼等は夜眠るみたいだから、私が行動するのは主に夜ね。
でも、私がいったい何したっていうの?
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わたしは今日もいっぱい歩いてすごく疲れた。
「ああ…何処かで休みたいよ…」
角を曲がると、クリーム色のレンガ作りの赤い屋根の家が見えてきた。
幸運な事に玄関のドアは開いている。
「ごめんください!」
声をかけるが返答はない。
中を覗くと誰もいない。家の中は空っぽだ。家具も何もない。
「…少しだけ休ませてもらおうかしら…」
そう思い、中に入ると大変!!
床がベトベトしていて手足がくっつき、身動きが取れなくなってしまったのだ。
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身動きの取れないわたしは毎日毎日、泣いて過ごした。
お腹が空き、喉もカラカラ。
どのくらいの時間が流れただろうか。
わたしは朦朧とする意識の中で死を覚悟した…。
「…パパ、ママ バイバイ…」
そう言い終わると、奇跡が起きた。
巨人の子供が家を持ち上げ、屋根を壊してわたしをを助けようとしてくれている———。
手足も床から丁寧に丁寧に剥がし、ついにこの悪魔の様な家から救い出してくれたのだ。
それだけではない。巨人の子供は、わたしを白い布の様なもので優しくくるみ、食事や水まで出してくれたのだ。
わたしは気が動転してしまった。
巨人達はみんな悪者ばかりだと思っていたからだ。
「…ありがとう、巨人さんにもいい人がいるのね…」
「ごめんね。君をこんな酷い目に合わせて。でも僕らと君たちとは一緒に暮らす事はできないんだ…」
巨人の子供はそう言い終わると、再び白い布の様なもので再び優しくくるみ、森へと連れて行ってくれた。
「さようなら、森へおかえり…元気でね!」
「ありがとう、優しい小さな巨人さん!」
そう言い終わると、わたしは茶色い羽を広げて、森へと帰って行った
説明
ヒント ○○○○ホイホイ