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お転婆だった見習い神官プレア。終焉(しゅうえん)の大神官として呼ばれるけど、私は最後まで抵抗するわ  作者: 日向 たかのり
第七章 対立の大神官・・・終わる、前の国。敵対する、後の国の皇帝
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44 暗殺命令という噂

 前の国を国ごと次元の狭間(はざま)引きずり込み、丸ごと(にえ)にしようとした戦いには勝利した。

 だけどそれは、戦いで言えば、相手の出鼻を打ち砕いただけに過ぎない。


 後の皇帝と自称するデュコ・アウローラ・ステルラが、このまま大人しくしていてくれるものだろうか?

 それと、灰色の人外は排除したけれども、あの子は、使い走りみたいな感じがした。

 もしかしたら、背後にも仕掛けているのが居ると思うのが正しいかもしれない。


「え? あ、暗殺、命令?」

 聖導会派の貴族の使者が、重要な話があると私達のところにやって来ていた。

 その話を一緒に聞いていた幹部の神官は、目を丸くしていた。

「……」

 モイラは、口を両手で(おさ)え驚いていた。


 私はというと、来るものが来たかという感じ。


「別に、驚くことではありません。遅かれ、早かれ、こうされる可能性は皆無ではありませんでしたし」

 むしろ、何故ディコ様が、この手段を取ろうとしてこなかったのか?


「母上様とアクス様の(よみがえ)りを優先するならば、それを邪魔をする私は、いの一番に排除(はいじょ)されてもおかしくありませんでした。少しは、大神官の存在が、前の国と世界の存在に関わっている事を認識されてはいるのでしょう」

「……。あの、それだけでも無いような気がしているのですが」

 と、モイラが言う。

「モイラ、どういう事だ?」

 同席している神官が尋ねた。

「い、いえ。確証はないのですが。私の感なのですが、……」

 と、言い(よど)んでいるモイラ。

「えっと。はい。ディコ様は、もしかしたら、プレア様の事も、その……」

「?」

 私は、モイラが何を言おうとしているのか見えない。

「モイラ、はっきり(おっしゃ)い」

「え? え――と、あの――。もしかしたら、プレア様にも特別な感情を持たれているのではないかと。だから、説得で何とかされようとしていたと思っていたのですが」

「え? 私を? あの方が? え――と? 何で?」

 私は、たたみかけた。


「い、いえ。ですから、そんな気がしたというだけですので」

 私が、問いただすものだから、モイラは小さくなっていく。

「だとしても、モイラ。生贄(いけにえ)には、前の国の全ての領民が必要なのではなかったのか? 違うのか?」

 問いただす神官。

「は、はい。じゃ、違いますかね?」

 苦笑いをして胡麻化すモイラ。


「プレア様。私は、聖導会派の貴族達にも、あの手下を送って来るのかと思っていたのですが」

 幹部の神官は言った。


「もう、大神官の承認は必要ないと、条件を変えたのかもしれません。それに、この世に顕現(けんげん)出来る数も限られているのかも知れません。いずれにせよ、人外達の企みは、終わっていないという事ですね」

 私と、直接対峙すれば、灰色の人外の様になる。

 だから、人を介して排除し、生贄(いけにえ)を出させようと考えたのかもしれない。


「もしかしたら、ディコ様は、もう……」

「おい! めったなことを言うものではない。もし、そうなら。この事態、誰が、どうやって収拾(しゅうしゅう)できるのだ」

 神官達が、後の皇帝と自称するデュコ・アウローラ・ステルラの安否について話している。

 

「ディコ様を騙しているのか? それとも、捕えられてしまったのか? 考えたくないですが、亡き者にされているか? いずれにせよ、私達の戦いは、人外達との戦いになったという事です」

 私は、答えた。


「プレア様、そうですね。誰が暗殺命令を出そうとプレア様への危機が訪れたことは変わりない。しかし、対策を考えるも、相手が軍や刺客だとすると、私達神官だけでは守れません」

 幹部の神官は言う。


 私は、考えた。

 仮に、聖導会派の貴族を頼り、警備を強化して、どうにかなるのかなと。

 

「もう少し、足掻いてみようかと思いましたが」

 私は、天井を少し見ながら、(つぶや)いた。


「プレア様。一時的でも、国外へ逃れられては?」

「そうです。リンド皇国に行かれては。あの国は、先王の時代から、前の国の聖導会への扱いについて、意見してくれていました」

 聖導会派の貴族の使者が言う。


 私は、もう一度考えてみた。

 一時的にも、可能なのか。


 けれども、直ぐに駄目だと判断できた。

 ちょっとだけ死んだふりみたいなこと、誰もできるはずがないのですもの。


「ありがたい申し出ですが、それは出来ません」

 私は答えた。

「な、何故ですか?」

 貴族の使者は尋ねる。

 

「……。申し訳ございません。出来ないとしか、答えることが出来ません」

 

(私が離れたら、この前の国だけでない。この世界も消えてしまう。それも、人外達の(たくら)みのひとつ。でも、そう言っても理解してくれないし)

 私は、話せないことに悩んだ。


 その後も、聖導会派の貴族の使者方達との話は続いた。

 しかし、なかなか納得してもらえない。

 それは、そうよね。

 

 しかし、何もしないわけにもいかない。

 話し合いの末、とりあえず国内で身を隠すことで使者様達に納得して頂いた。


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