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お転婆だった見習い神官プレア。終焉(しゅうえん)の大神官として呼ばれるけど、私は最後まで抵抗するわ  作者: 日向 たかのり
第七章 対立の大神官・・・終わる、前の国。敵対する、後の国の皇帝
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38 戦いに備えて

 さらに、悪い情報が報告されてきた。


「プレア様。ディコ様は、ご自分で『後の国』の『皇帝』と宣言されたそうです。そして、……」

 報告に来た神官は、息を切らせながら話を続ける。

「そうですか。あの方的には、『前の国』は終わったという事なのですね。わかりました。他には?」

「それから、外部から兵を入れて軍を強化すると、おっしゃっているとのことです」

「外部から、兵を? どの国ですか? どこの組織ですか?」

「そこまでは、発表は無かったようです」


 外部から兵を増強という気になる言葉。

 もしかして、リンド皇国から?

 私を支援する形で介入されるということかしら?


 私は、どこからその兵を集めて来たのか気になった。


「あの、報告は以上です」

 私が考え込んでいた為、報告に来た神官さんを待たせてしまった。

「あ、ごめんなさい。考え事をしていて。報告ありがとうございました」

「はい。では、失礼します」


「プレア様。少しよろしいでしょうか?」

 モイラが、私の気持ちを察してか、声をかけてくれた。

「何、モイラ?」

「あの、先ほどの兵ですが、プレア様がお話下さった『人外』の事ではないでしょうか?」

 あら、ほんわかモイラでもわかるのね。


「そうね。でも、経典にあるような姿なら、とても目立つはずだわ。今ごろ王都は、大騒ぎのはず。そうはなっていないし」

「王族派の貴族達に野心を抱かせるぐらいでないと、とても発表などできないと思いますが、違いましたかね?」

「いいえ、モイラ。その可能性はあるわ」

 私は、その元を正さないといけないと感じた。

「う――ん、そうね。直ぐに来られる方だけで良いので、大神殿に神官の皆様を集めてください。その備えをしておきましょう。外出している残りの方は、戻り次第指導いたします」

「どうされるのですか?」

「大神官としての力の一部を皆に与えます。と言っても、結界を張る事ぐらいなのですが」

「良いのですか?」

「ええ。相手が人でないなら、それなりの対抗手段が必要でしょう。むしろ、そちらは私達の本分ですからね」


 相手が経典にある『人外』ならば、こちらも対話などという手段を取っていられなくなる。

 何しろ、相手は対話不能なのですから。


 何としても、この国の領民を、生贄にさせて願いを叶えさせるようなことはさせたくない。

 アクス様との約束でもある。

 

『私は、あなた達に未来を託します』

 そう言われた時のことを、改めて思い出していた。


「ではプレア様、さっそく皆様に声をかけてきます」

「ええ、頼みますね」


 

投稿遅れました。

申し訳ありませんでした。

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