表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/70

19 アクス様、軟禁される

 クロス様より、全員に大神殿へ招集するようにと連絡があった。


 そこで、アクス前大神官代理が、大神官代理の任を解かれることが正式に決定された事を知らされるた。


「え? そんな勝手な事を。何の権利があって」

 憤る諸先輩方。


 それにしても、どうして?

 それも、今になって?

 長い幽閉もおかしいけれども。


「謀反の疑いがあるとの事です」

「!」


 一同、言葉が無かった。


「そ、それはどういう?」

 私は、たまらず尋ねた。

 考えられるとすれば、あの黒い騎士様との関係のこと。

 そう言えば、黒い騎士様の行動については、これまでも何も情報が無かった。


「第六王子との関係濃厚と、王族側は判定したようです。第六王子をそそのかしていたのではとも」

「それは、アクス様が、他の王子様方との関係改善の為に尽力なさっていたからでは?」

「その第六王子が、御兄弟を切りつけて疾走したと聞かされました。今、王族側は追手を出してさがしているようです」

「そんな?」

 黒い騎士様。

 何があったの?


「先の王が崩御された後、悪いことが重なり過ぎています。これは、聖導会を切り離すか、解体させようとしているのでしょうか?」

「プレア、お黙りなさい。それは思っていても言ってはなりません」

 クロス様に(とが)められた。


「それに、プレアも知っているでしょう? 聖導会とこの国の繋がりを。それが、どういう事を示すかを。それは……」

 クロス様は、その次の言葉を言うのを止められた。


(本当に、本当に、それが分かっているの?)

 

 私には、そうは思えなかった。


「クロス様。まずは、アクス様にお会いして見るのはどうでしょう? この状況ですが、我々も強くでなければならないかと」

 幹部中のお一人がおっしゃった。


「そうですね。前回は大人しくしていましたが、ここまでするのであれば。わかりました。会ってまいります」

 クロス様は承諾された。


「プレアを同行させては如何でしょう?」

 その幹部の方が言われた。

「私をですか?」

 意外な提案に私は驚いた。

 クロス様は、少し考えられてから……。


「そうですね。一緒に入室して話をするまでは出来ないと思いますが。そうですね。プレア、一緒に付いてきなさい」

 と、クロス様。


「はい。畏まりました」

 私は、返事をした。

「でもプレア。歩いて行きますからね。わかっていますね?」

「あ、はい。承知しております」

 あはは。

 クロス様は、やっぱり御厳しいなぁ。

 

 そして、数日後、私はクロス様と一緒に王宮へ向かった。

 もちろん、モイラも一緒に。

 

 私とモイラは、狭い前室で控えて待つことにした。

 そこまでは、お城の近衛兵は入って来ていない。


 その日は、直ぐにクロス様は戻ってこられた。

 ご挨拶程度しか出来なかったようである。


 しかし、お元気そうであるのを確認できただけでも、良しとしなくては。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をエイッと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!

執筆の励みになります。ぜひよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ