表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/70

18 元お転婆の新米神官

「……。暇ね、モイラ」

「はい、プレア様。今日も、ご依頼して頂く方が、一人も来ませんでしたね」

 ぬぐぐ。

 そんな言い方をしなくても。


 大神官執務室にて、私とモイラは、神官と聖導会従者女神官に任じられた。

 学校の勉強をつづけながら、時間を調整して神官としての聖務も始めていた。


 しかし、……。


 依頼しに来てくれる人が、少ない。


 まだ、就任したての新米神官というのもあるのだけれども。

 学園時代のお転婆ぶりの噂があって、「あんな子に、大事な未来の神託なんで出来るのか?」と思われているらしい。


 まあ、良いですけどぉ。


 アクス様やクロス様の推してくれているので、親しい貴族の方々は来てくれるのだけれども。

 王族派の貴族の方はもちろん、中間派の方々もやってこない。


 あまり頻繁に必要な事柄でもないのもあるけれども。

 平和な時代が続くと、神託(しんたく)渇望(かつぼう)するほどの危機になる事も無くなるので自然に減っていく。

 こういったことが長年続き、国の運営に逐一神託を必要とする意味が薄くなり、避けられるようになっていたのだった。

 時折、国の政治にも、行き過ぎや間違いなども指摘してきた。

 それが、横柄な方々に取っては、邪魔でしかなかったようだ。


 私は学園の方で、詰込みで色々教育されてしまっている。

 に、逃げられないの。

 

 お陰で、「転移の力」で抜け出す暇もなかった。

 つらいわ。


 けれども、アクス様やクロス様の御気持ちを考えると、一日でも早くと焦る気持ちもあった。


「プレア。アクス様からは、「終焉の大神官」と言われると聞かされておるようですが、それを決めるのはあなたなのですよ。そして、その重みが負担に感じるようでしたら、それは勘違いです。大神官一人でなんとかなると言うのなら、この国の人々の存在意義が疑われます。言い方は悪いですが、あなたは回ってきた書類に承認印を押すだけで良いのです。私みたいにね」

 と、クロス様は励ましてくださった。


 ん?

 励ましてくださったのよね?


 とにもかくにも。


 新米神官としての修行は、約数か月続いた。

 ようやく、神官としての信頼も付き、いよいよとなった時に、その悪い知らせはやって来た。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をエイッと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!

執筆の励みになります。ぜひよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ