特別番外編・竹取の3匹の子豚《改編》41
俺は疑問になった事があった…
※アヴォ視点※
秋菜さんが落ち着いたところで、俺は気になった事を尋ねた。
「ところで、その部長はどんな企画を提案しただ?」
「さっきから、ずーっと気になっただが…」
「あ、確かに……」
「それは同業者として、私はちょっと気になるわね。」
「今後の参考的にも…」
これにはカンノンさんも話しに乗って興味津々だった。
「…………あーあ…」
なんか秋菜さんも複雑な顔をしていた。
「お母さんから聞いた話だけど…」
「えっと……不採用な企画は『異世界人奴隷化の受け入れ』、『会社の皆の給料を俺が管理』、『未成年のギャンブルの促進』、『ヒカリ君を里親権限』、『無法の歓楽街計画』とか…」
「………………」
色々と聞かされて、俺とカンノンさんは聞くからにダメぽいし、色々と問題あり過ぎて無言になった。
思い出したように疲れた様子で秋菜さんは、
「頭を押さえて、黒崎会長が全てボツにしたけど……」
誤魔化すようにカンノンさんは話を逸らそうとして、
「でも、里親の案はだけは…」
「……あ?」
「!?」
ギロリと秋菜さんがカンノンさんを見ると驚いた顔になった。
カンノンさんは縮こまると頭に両手を置いて泣き顔になった。
あ…
トラウマスイッチ発動か…
とりあえず俺も気になって、
「……その案は、ダメなのか?」
「『ヒカリ君の里親権限』は、特に断固反対で黒崎会長とお母さんも社長も激怒で、私も認めないけど……黒崎グループの9割の社員は認めないですね。」
「特に女性陣は満場一致で全員が判断ですね!」
嫌味のような口調で秋菜さんは言い切った。
「それほど…なのか……」
「ええ、そうよ!」
当たり前の顔で秋菜さんも頬を膨らませて、怒り気味だった。
「…………」
俺はこれ以上は地雷を踏まないように、ここはあえて黙る事にした。
それにしても先程の提案を思い出して、
しかし…
どれも酷いな…
そこまでとは、その部長は…
聞いててどれもろくでもないと俺は感じた。
ん?
今更だが、黒崎グループの社長は初めて聞いた気がした。
「因みに黒崎グループの社長って、誰?」
疑問になって直ぐに確認した。
黒崎グループの黒崎会長は良く聞くが、テレビの会見とかにも出てこないし、黒崎グループの本社には冒険者の優遇で、3ヶ月1度ボーナス報酬が貰えが直接本人が出向いて、報酬を得るシステムがある。
そして俺も何度か足を運んで黒崎グループの本社の受付で、他の会社の営業の方が話してた時も社長に面会を求めたが、『社長は只今不在』と言われてた事が多かった。
眉間にシワを作って秋菜さんは、なんか嫌そう顔をした。
「黒崎グループの社長は本来は孫の胡桃ちゃんのお父さんだったけど、事故で亡くなったあとは会長の側近で、実績と取引の業務から成り上がりに出世した人物で、仕事のかなり有能な最強超人レベルですね。」
「………」
聞かされて俺は言葉を失った。
まだ、カンノンさんはしゃがみこんで、再起不能だった。
「ここからはお伽噺も交じります。」
「え?」
「お伽噺?」
目をパチパチして意味が分からなかった。
何故?
お伽噺なんだ?
頭の中でも疑問だらけだった。
「昔々ある国に始祖の吸血鬼の王と淫魔の女王が居ました。」
「……」
本当にお伽噺なんだ…
そのまま、素直に黙って聞くことにした。
「そんな2人は恋をして、子宝の双子の姉妹に恵まれました。その姉妹の妹は、淫魔の母親よりも吸血鬼の父親の色が濃く出ており、偶に夜に城を抜け出して、何度か人の村に行く所を向かった。」
「そして、人々を追い回して、物を壊しました。」
これは…
怖いな…
俺も同じ立場なら恐怖かもしれないと思えた。
「後日に、村の代表での口から夫婦は姉妹の妹の知り、討伐隊を派遣する事が決まった事も伝えられて、夫婦は悲しみました。」
「夫婦は決断しました…」
何を決断なんだ?
息を飲んで俺は話に釘付けになった。
因みにカンノンさんはまだトラウマに囚われていた。
「夫婦は自分達はこの世から消えても、大切な子供だけは離れても、この世に残す選択をしました。」
え!
まじかよ!
これには衝撃を受けた。
ここで、俺なら痛いのは嫌だから、人類を削って戦う選択したかもしれんな?
悩んで考えんかだ。
そして…秋菜さんは、
「妹の方は女神イヴ様に預けて、その際に女神イヴ様は夫婦と姉に妹に関する記憶の消去を命じて、素直に妹の幸せの為に受け入れました。」
「その後夫婦と姉は、妹の記憶を消えて最後の時を過ごして、その姉も封印する事で夫婦は潔く死を受け入れました。そして……時が過ぎて……」
最後の方は凄いに機嫌が悪そうな口調になっていた。
「その妹は…女神イヴの元で修業をして、数百年後に孤児院に移り住んで、黒崎会長に養女として引き取られました。」
「本来の養子の子が事故で居なくなり、新しく引き取った養女が今の黒崎グループの社長よ。」
「え?」
色々と情報量が多すぎて、
は?
色々と待て……!?
ちょっと!? 流れおかしく無いか!?
いったい……どう言う事!?
困惑しか浮かばなかって、頭の中で整理が追いつかなかった。
「姿は幼いままで始祖の吸血鬼になった。ベリル・S・黒崎が現在の黒崎グループの社長の名前よ!」
「しかも、海外の仕事で今は出張中だけど…………ありえない程の手腕で、普通は15年かかる仕事を1ヶ月で纏めるとか、なんなのあんな量の交渉&取引を意図も簡単に終わらすなんて……」
「本当にありえない程の化け物よ!」
「しかも、お母さんから聞いたけど、ヒカリ君を狙ってるらしいのよ!」
「う〜! ライバル退散よ!」
秋菜さんが凄いイライラした顔で、腕を組んで頰を膨らませた。
え?
何…その15年を1ヶ月って…は?
それは…異次元のレベルでは……
もはや、俺は話についていけないレベルだった。
※※※
※同時刻※
※???※
豪華客船の上のプールには大勢の美少女達が水をかけあったり、楽しそうにキャッキャッと声を出して居た。
[もうすぐ、会えるわね。]
[かって、元は1つの世界だったけど、ある時に時空を超えて世界の終わりを告げる者達が現れて、世界のそのものが崩壊しそうになった時に…………周りの者を救うために、世界の為に生贄して選ばれた者……]
[その後に幾つもの世界に別れて、女神に使える管理者達が世界を管理しており、世界のそのモノから世界の寵愛に選ばれた……]
「そして、その者は、お姉様の想い人の名はヒカリ…」
その近くでパラソルの下でビーチチェアで寝ている長髪のサングラスをつけて、銀髪の黒い水着の少女は寝ており、薄く笑った。
そこに猫耳を着けたメイドの1人がやって来た。
「社長、本船はハワイに明日には、到着予定ですにゃん。その後は現地で取引交渉と支部の方針を現地で伝えて終わり次第に、本社の日本の人工島に戻る予定ですにゃん。」
「概ねの予定では、来週には本社の着く予定ですにゃん。」
「そう、ご苦労様…」
横のテーブルに置かれた、古びた本とトマトジュースをストローから飲みながら労った。
視線をプールの方を見て、
「これで、海外の国に居た向こうの世界の奴隷達は、皆連れてこられましたにゃん。」
「そうね。」
「彼女達も私の元で働きたいと申し出があり、それなら、こちらも色々と使い道があるわ。」
少女も視線をプールに向けると、数人は微笑んだ顔でニッコリしてきた。
疑問になって猫耳のメイドは右手の小指を立てて、
「社長…彼女達を愛人として、彼女達をとしてするですかにゃん?」
「フフフ 確かに面白いわね。」
「毎日、私が日替わりでこの子達を夜に抱くのも、それはそれで楽しそうよね。」
「社長は狙った子は落とすのが、本当に上手いですにゃん。」
「でも、今回は違うわよ。」
楽しそう答えると、少女は否定した。
「そうですにゃん?」
「ええ、彼女達は今後に必要なのよ。」
そう少女は微笑んで話したら、
「彼女達は…私の直轄の機密機関の調査チームの部署にまわす予定よ。」
「そうですかにゃん…………」
「それは、つまり、私の後輩になりますかにゃん。」
「まあ、そうね。」
疑問な顔でメイドは尋ねた。
「しかし、社長は何故この様な美少女を集めるですにゃん?」
「彼が彼のままで居てもらう為には、どうしても必要な事よ。」
「は…にゃん? 彼のままですにゃん?」
この話を聞いても意味はメイドは理解が出来ずに『?』を頭の中で浮かべた。
[お姉様は彼の望む事をするはずたけど、私は彼を彼のままで居てほしいから、なりふり構ってられないのよ。]
続く
いつも読んでくださりありがとうございます。
また読んでくださりますと幸いです。
ブクマ&評価をくださると幸いです。
次回は5月25日2時00分投稿の予定です。
最近は平日が仕事になったので…