番外編・とある協定を結ぶ者達《中編》
キスをされる光景に…
※シオン視点※
私は何も出来ずに、そのままヒカリと謎の仮面の白いローブの0号と言っていた少女のキスを眺める事しか出来ずに、悔しさすらあり胸がズキズキした。
他の女とキスをして……
長いキスが終わるとヒカリはぐったりして気絶した。
気絶したヒカリをベットに運んで考え込んだ顔で0号の少女は、
「まだ……彼の心の形成が出来ず、少しだけ安定してまだまだ不安定でわね。」
「まだ、彼はずっと仮死状態で生きて、ようやく人してこの世に生まれたばっかりで、そこは仕方ないわよ♪」
「フフフフ そうでわね♪ お姉様♪」
「何事も根気は大事でわ♪」
青いローブの少女は励ますと0号の少女は微笑んだ顔でいた。
え?
心の形成?
生まればっかり?
ヒカリに関わる事だから理解がしたいが、不明で意味が分からない単語ばっかりで、手詰まりの話しだった。
説明してくれた1号の黒いローブの少女はヒカリを観察するように見下ろして、
「ふむふむ」
「この様子だと本来の人の生き方から、かなり外れてますね。」
「よほど別の世界で強い暗示と洗脳と薬でも受けたようけてますね。」
「これは……流石に0号殿でも想定よりも時間がかかるかもしれませんね。」
モノクロを触りながら話していたら、
「それって、どういうこと?」
真っ先に疑問になって真剣な顔でミカが訊いた。
こっちを見て真面目な顔で0号の少女は、
「そのままの意味ですわ。」
「彼の本来の時間がようやく動き始めたと言う発言が正しいですね。」
「え?」
モノクロをいじりながら1号の少女から聞いたが、正直に全く私とミカとレイカさんは理解が追いつかなかった。
だけど無表情でシュイだけは、
「ヒカリはずーと縛られていたモノから解放されて、ようやく人としてこの場にいる。」
「そうなんですか?」
これはレイカさんは驚き訊いた。
「へぇ、貴女の方が予想外ですわ♪」
「この世界で知ってる子が居るのは驚きですね。」
意外そうな顔で0号の少女と1号の少女は感心した。
「なん…」
これには私は言いかるよりも早くにミカが真剣な顔で、
「なんで知ってるのよ!」
「以前に居た向こうの世界で、お酒に酔って神の暗殺天使メンバーの時に、主君のアダムが『調律師は使命感を持って行動をしてるけど……自分は魂すら無いから、自分を人と思わずに自分を道具と存在して、それを信じて他人の事には、一緒懸命でいるけど……それは生きているとは言えないかな』と、聞いた。」
「え!」
「それは……初耳よ!」
その話を聞いた同じ暗殺組織の同僚だったミカは驚きの顔になった。
それとは別に0号の少女は1号の少女に尋ねた。
「これは暗殺の案件でわね?」
「そうですね。」
「いくらお酒に酔ったからって、こんな軽々しく話を広めてもいい内容では無いですね。」
「とんでもない口軽神がいるなんて、万死に値しますわね。」
「ええ、これは傍から見ると、明らかな私達に対する挑戦状ですよ!」
モノクロを触りながら話して苛立っていた。
その時、ガラスが割れるような音が聞こえた。
私は見たらしんじられない顔で、
「え!」
「空間が」
空間が割れて時空が歪み奥の方から、全身が黒い騎士と巫女の服の大和撫子ぽい美しい少女が歩いていた。
それを見た青いローブの少女と1号の少女は同時に反応して、
「ジークフリード様!?」
「原始巫女様!?」
別々の名前を言って、0号の少女は少しだけご機嫌斜めな感じがした。
え?
それが誰なのかは、私は知らないが真っ青でレイカさんは震えていた。
「……死に逝く翼、盟主の側近の左腕と右腕の黒騎士ジークフリード様と原子巫女マカー様」
「!?」
小声で呟くと私とミカとシュイは驚愕した。
死に逝く翼はこの世でもっとも最悪な組織であり、とある封印された世界で不死者のメンバーで構成され目的の為なら、他の世界への干渉も暗殺も行う厄介な者達だった。
ジーとヒカリを見てから青いローブの少女を見て黒い鎧の騎士は、
「彼は……そうか、制約を成し遂げて、尚且つ彼女を解放したのか。」
「こんな短期間で全てを成し遂げるとは、本当に無茶をするものだ。」
「こちらの計画も準備も全てが無駄になった。」
困った様子で軽く息を吐いていた。
この状況でヒカリはなんで、死に逝く翼に関わってるのかが、私は不安だった。
巫女の少女はヒカリに片手を軽く触れて目を瞑って、
「やはり…今は凄く不安定な状態ですわね。」
「この状態で誓約を果たした魂の回収すれば、彼の存在は持たないでしょうね。」
「!?」
衝撃な事を聞いて、私とミカとレイカさんは驚愕してたが、シュイだけは何処となく察している感じたった。
その状況を既に把握してるような内容でだったらしく黒騎士は、
「そうか。」
「どうしますか?」
「急ぐ必要はないと盟主は言ってるし、彼が安定するまで、そのままで良い仰せだ。」
「それに彼には制約以上の事を成し遂げて、彼女を救い出した私達は返せぬ恩義が有る。他の者も誓約以外の成果を出したうえで、誰も文句は言えんだろう。」
「あの翼の組織が意外な事を言うのね。」
不安そうな顔で巫女は訊くと、冷静な口調で黒騎士は語ると、これには意外で私は言葉に出した。
私を見て黒騎士は、
「私達は鬼でも悪魔でも無い!」
「相手が恩を受けたなら恩を返すが、裏切った者には死あるのみだ。」
恩を仇で返すのは死は当然だと思えた。
人間だと法に従うけど、魔族は裏切りは万死に値する最大の禁忌とされている。
不思議な顔でミカは尋ねて、
「ところで、女神の制約って、何よ?」
「その質問は本来は誰も答えないが、もう成し得たことなので教えるが、他の者には秘密にしてくれることを誓ってほしい。」
「分かったわ。」
「それを無関係な者に話すのは意外ですわね。」
黒騎士は言うと、私はミカとシュイとレイカさんを見て頷くのを確認してから了承して、0号の少女は意外そうな顔で嫌味ぽく言っていた。
「女神の制約は、私達の空間に閉ざされた世界に降り立った。全ての世界の始まりの創造神の女神であり、私達にあらゆる物を教えて与えてくださった存在だった。」
「その女神様が降り立って、平和に暮らして居たが、およそ500年後に…ある日に何処から来た未知のウイルスによって、多くの者が死んでしまいましたが、女神様は自らの命と引き換えに私達を救って全員を不死者にしました。そして…女神様は魂だけが残った。」
「…………」
ここまでの黒騎士と巫女の話に私達は予想外過ぎて無言になった。
「そして…始まり創造神の女神様を追いかけて、他の世界の管理者と全て世界を管理する現創造神達はやって来た。」
「既に亡くなった事を知って、彼らは強引な密約で『創造神の女神様をこの世にどんな方法でも戻して欲しい』と要求してきた。」
「変わりに他の世界に干渉が出来る様に法則を変える事も認めた。」
これには私も衝撃だった。
理由は管理者達と死に逝く翼と密約あったのも意外だった。
「その後、私はあらゆる世界に行き女神の魂と同調するモノを探したが、誰も同調する者はいなかったが、気まぐれに私は調律師の世界に行った。」
冷静な口調で黒騎士の言葉が嘘では無い事は伝わってくるの私もよく分かる。
「そして…女神と同調する者をみた方が…」
続く
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次回は12月24日2:00投稿




