30. ちょっと…待って下さいな!?《前編》
全てが終わり僕は最後にやることは…
※ヒカリ視点※
皆が帰った後に僕は聖女さんが近寄って、
「色々とこちらに合わせてくださり、ありがとうございます。」
「大したことはして無いよ。こちらにもこの方が都合が良かったからね。」
聖女さんにお礼を言われたが、僕はただ友達が居る世界で世界を終わらせたく無い為に、盤面を使って本来の世界の時間を書き換えただけで、少しでも長く友達の世界を残したかっただけで、ただの自己満足だから大したことはして無い筈だ。
そう…これは僕には無いモノだからね…
考えるのを止めて、
「それよりも悪いけど、今回の件で驚異は無くなったから、帰る前に貴女とチイナさんと話がしたいので教会の食堂に先に行ってもらえるかな。」
「ええ、分かりましたわ♪」
僕は聖女さんにお願いして、微笑んだ顔で聖女さん達は教会の中に入って行くのを確認した。
ラプラスさんの方に行かないとね。
全ては僕の盤面の為にね。
ゲートを出して中に入った。
彼女を返す為にね。
※※※
※聖女視点※
※教会の廊下※
本当に私すら、今回の件は予想外だった。
王国にとって帝国と協力関係の女神教の完全撤退は、正直にヒカルさんの取引は凄いプラスだった。
理由は王国にとっては、女神教は中立的でも帝国と協力している以上は諜報活動をしており、あり得ない事だが国王は市民に煽り、いずれ帝国が入手した情報は大国に知られる筈だと……そう伝えられて、市民の中からテロに参加する者が出たり、国を動かす力があっても国王よりは発言力が無く、私とチイナさんがやっても無理だった。
教会の中に入ると階段の近くに居たチイナさんだけが駆け寄って来た。
「聖女様」
「チイナさん、ヒカルさんが食堂で話があるそうです。」
「畏まりましたわ。」
返事をするとチイナさんは階段の近くの取り巻きさん達の方に向かって、チイナさんはポケットから懐中時計を見た。
「ここでの任務は想定よりも早いですが完了です。」
「間もなく迎えの馬車が来ます。彼が最後に聖女様と私に話があるそうですので、申し訳ないですが、貴女達は私と聖女様の荷物も一緒に纏めておきなさい!」
「はい」
返事をして取り巻きさん達は速やかに階段を上がっていた。
直ぐにチイナさんは私の所に来て、食堂に向かいながらチイナさんは、
「聖女様、此度のお役目お疲れ様です。」
「これだけ早く事を成し遂げたのは、私達の成果では無く、全て調律師たるヒカルさんの成果ですわ。」
「はい」
「当初の予定よりも数カ月でしたが、彼のおかげでたった3日で決着がついたのは、正直に私すら想定外で驚きでしたわ。」
確信をついて私は伝えるとチイナさんは返事をして冷静な口調で話した。
私はヒカルさんの事をどう思ってるのか気になって、
「彼の事をどう見ますか?」
「…………ですが……」
「構いませんわ。」
「チイナさんから見て、私は率直的な意見を聞きたいですわ。」
困惑した顔でチイナさんは困った様子だったが、私は許可を出してチイナさんからの見た様子を知りたかった。
深呼吸してチイナさんは、
「では、彼には私の持てる方法で、違法的でもどんな手を使っても彼をこの国に永遠に止めておきたいほどですわ。」
「王国の私の側近であり、チイナさんのから、そんな言葉が出るとは…」
ここまでのヒカルさんを評価しているとは、私も少しだけ予想外だった。
「私は彼をこの国に留められるなら、魔蝶楽街で多少は強引になりますが、既成事実をワザと作らせますわね。」
「…………」
これには無言になった。
魔蝶楽街は夜の街で、その街に来た男を誘惑する女と薬と色香で惑わして、どんな男も虜にする幻惑の都市とも言われており、現国王が作ったモノだった。
再度、私は確認する為に尋ねた。
「そこまでしなくてはなりませんか?」
「ええ、彼は他の国渡すなら、この国の者にする為の当然な処置ですわ。」
「その後に既成事実があれば、聖女様と私が婚姻もしやすくなりますわね。」
「昔から英雄は色を好みますから…」
「そうですわね。」
これには疑いの余地が無いほどにチイナさんの言ってる事は理解が出来た。
そこまでヒカルさんが有能な存在が認められた。
「ハッキリと言いますが、彼は恐ろしいほどに有能です。仮におそらく彼が国王ならば、僅か1年ほどで大国や帝国を奪う事も可能でしょう。」
「確かに……ヒカルさんなら、短期間でやれるのは…あり得ますわね。」
この話しに考え込んで、直ぐに私もあり得ない可能は無かった。
今回の目的はあくまで、
「ですが……」
「今回は私とチイナさんの顔見せの挨拶だけですわ。」
「ええ、わかっております。」
そう、この場では最初から婚姻を求める気は無く、あくまでもその気があると言う印象を付けるだけに私達はとどめた。
本来なら強引にヒカルさんを3年だけ監禁したいが、今はヒカルさんは何らかの制約で過去に来てるので、長く居座り過ぎてヒカルさんが消えたら、今回の女神教との取引すら無駄になりかねない事態であり、私達もそれは望ましく無い結果だった。
因みに何故、ヒカルさんを3年監禁したいかは……帝国と大国と違って王国の成人は年齢が12歳で親の跡継ぎをする事は、王国の法律的には認められていた。
この理由は現国王が13歳の時に流行病で亡くなった元国王だった父の跡継ぐ為に年齢制限を下げて、国王になって自分が早く女を抱きたい理由もあり作った法律だった。
この時に国王によって、同時に王国内で行なわれたのは子作り政策でがあり、現国王は大国を敵対しており、いずれ王国が勝つ為に兵を増やす為の政策を作った。
ただ他の国と違って年齢制限を引き下げ子作り政策は結果的に王国民は急激な人口が増えてしまい、元々一部の土地が砂漠化する地域もあり、王国民が増えた事で、現在も食糧難を解決もしないまま放置した。
過去にこの問題に正統派の王国の第一王子のベクトル殿下は直ぐに成人の年齢制限を直す事と食糧をどうにか国民を救う為の対策を国王や大臣に申告したが、国王や大臣達はソレを無視して方を全く方針を変えなかった。
それはさておき、次にヒカルさんが来るのは、
「次に彼が王国に来るのは、7年後が本命であり私とチイナさんは…」
「ええ、こちらも色々と仕込みを進めておきます♪」
「ええ、期待しますわ♪」
怪しげ会話をしながら、私達は食堂に入った。
続く
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次回は12月17日2時00分投稿予定です。




