4.最悪の呪い[前編]
僕は……
※ルクス視点※
誰と寝るかは考えたが…でも、
「ごめん。今日は一人で寝るよ。」
平謝りで僕は断りで、先程仲直りして部屋の中をレナちゃんとレイジ君と探検して調べたので、早々と1人で奥の部屋に移動した。
「え?」
「ルクス、どうしたの?」
その動作に呆気にとられたリィーンとシュイは、ルクスが奥の部屋のドアの鍵を[ガチャ]とかけるまで呆然とした。
「ガウ[いつもだよ。]」
「え?」
「キュー[ルクス君は友達思いだけど、すぐに1人になりたがって、深くみんなと関わらないのよ。]」
「そうなんですか?」
このレイジ君とレナちゃんに説明してもらい、意外な一面をリィーンは知った。
「何があったかは、聞かないの?」
「ガウ[強引に聞いたら、今の関係がなくなる気がして、今までのままいたいから…俺とレナは待つ事にした。]」
「ガウ[それが友達だからな。]」
「キュー[ルクス君から教えてくれるまでね。]」
不思議な顔でシュイは訊いて、レイジ君は首を振って、レナちゃんは奥の部屋を見てルクスを待つ事に決めていた。
※※※
※奥の小部屋の中※
ドアの裏でルクスは胸を押さえ冷や汗をかいて座りこんだ。
痛い…でも、これは最後の僕とお母さんの思い……
僕は思うと…数年前のお母さんのやり取りを…
『どうして! あの人は死んでアナタだけが生きてるの!』
『絶対に許さない! アンタなんか産まれ来なくて良かったのに!』
咳き込み手で押さえて、
お母さん…ごめんなさい……
僕のせいで…
涙を流してルクスの手には真っ黒な血がついていた。
奥の流しで手を洗いそのままルクスはベットで眠ろうとした。
※※※
※????の底※
周りは暗闇の中で苦しんでるルクスを観て、
[全ては僕が元凶あり、全部わかってたのに僕はこの世界に生まれなかったら良かったのかな?]
[そう、僕はこう成ることも全て分かって、効率的に行動した結果か……]
後ろめた気持ちで悲しそう顔で少年は下を向いていた。
『そんな悲しいことを言わないでよ。』
後ろから光り1人の少年よりも年上の天使の翼の少女が少年をゆっくりと後ろから抱きしめた。
『アナタは何も悪くないわ。』
『例え、効率的でもアナタは死ぬはずだった世界の敵の天死の私を救ってくれた。生涯の唯一無二の恩人です♪』
とっても優しい口調で念話で少年に囁いた。
『……』
『何も答えなくて良いわよ。』
『だってこれは私の独り言だからアナタの側には永遠に私とあの人がいる。アナタの動く時まで今は眠ってね。』
黙っている少年に少女は念話で語り、そのまま少年を眠らせてお姫様抱っこをしてベットに寝かせてた。
『アナタは何も間違って無いわ。そうなにもね。』
『全部…アイツが全部…壊した! 絶対に許さない……』
もう映ってるベットの近くに居る少年を少女は睨んでいた。
※※※
※部屋の中※
僕はベットの布団に入ろうとした、その時に……
た…すけて……たすけて……
何処からか声が聞こえ気づくといつの間にか周りが灰色に変わっており、
「これは…」
ドアを開けるとベットの近くのテーブルにシュイがワイングラスを運んで、微笑んだ顔でリィーンが瓶の飲み物を運んでいたが、時間が見事に止まっており全くピクリとともしなかった。
「これは…魔法なのか!」
正直に時間を止める魔法なんて聞いた事が僕には無かった。
……た……すけ…………て………
「!?」
声が弱ってる事に気づくと僕は部屋を出て、声の方に走り出した。
※※※
※ホルマリン容器の近くの廊下※
※???視点※
人が入れるホルマリン容器から破れたシャツを着て、白い長髪のルクスと同年齢ぐらいの私わたしは弱々しく横になって倒れており、
どう…やら……私……は…ここま……で…です………ね……
全てを諦めた私は、
…え!
その時に走って音が聞こえ思考が停止しかけて様子で、
………うそ……
以前に目を開けた時に目があった、あのイカレ教授の後ろをついてきてた少年がこっちにだった。
なんで…
自分を探してくれた事に涙が溢れてきた。
「ここか!」
※※※
※ルクス視点※
目の前に弱々しく紺白の目を開けてるガルンの説明されたホムンクルスの残りの1体で確か聖母だと推測した。
直ぐに僕は着ていた軍服の上着のブレザーを脱ぎ、破れた服上からホムンクルスの少女に羽織ってあげた。
そして…僕はリィーンのやり取りを思い出して、
「君に名前をあげるよ。君の名前はイリスだ。」
[……イリス…………!?]
迷わずに直ぐに思いついた名前をあげた。
「ダ…ダメです!」
「私に…名前をつけては!」
顔色どんどんとよくなり直ぐにイリスは叫んだ。
名前をつけた少女のイリスの背中から触手がウネウネと出て、ルクスの周りを触手で包もうとしていた。
涙を流してイリスは、
「私は生きるため膨大魔力を欲する為におそらくアナタの魔力を全て吸い付くしてしまうのに……」
「死にたく無ければどうか……お願いです!私を見捨てて遠くに離れてください!」
「構わないよ。」
「アナタは本当にバカですかー!」
ニッコリと僕は微笑みイリスをギューと抱きしめた。
「きっと、大丈夫だよ♪」
「…え!……」
涙を流しながら目を見開いて頬を赤くしてイリスは僕を見ていた。
[だって、この子だって魔力が無いと…苦しい筈だし、やっぱり、ほっとけないよね。]
触手がルクスに巻き付いて、魔力を容赦なく僕から搾り尽くすように吸い上げイリスの方に僕の魔力が流れていくのがわかった。
続く
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