表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】異世界をフリマスキルで生き延びます。~いいね☆を集めてお手軽スキルゲット~  作者: 深見おしお@『伊勢崎さん』コミックス1巻9/27発売!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/292

200話 金策効率

 俺がストレージに弓をしまうと、それが合図になったかのように四匹のバジリスクはバラバラと倒れた。口をポカンと開けていたコーネリアが、かすれた声で呟く。


「な、なんだい、こりゃあ……」


「ええと、やっぱり弓が一番得意なもんで……」


「得意って、そういう次元なのかい、コレ……?」


 口元を引きつらせながら、コーネリアが死屍累々のバジリスクを指差した。


「そういう次元なんです。ちなみにナッシュさんにも見せたことありますよ」


「ん? あ、ああ……そういうことなのかい。実は昨日、ナッシュが起きたときに改めてあんたのことを聞いたんだけど、ところどころ口ごもったりしてさ、なにか隠してるように感じたんだけど……なるほどねえ……」


「あはは……。それじゃ向こうのヤツ、片付けてきますね」


 納得顔でうなずくコーネリアに愛想笑いをし、俺はバジリスクの死骸に向かった。



 連なって倒れているバジリスクを見て、俺はにんまりと笑みを浮かべる。


 これはいい臨時収入だよな。これなら苦労して倒した最初の一匹はルーニーに売っぱらって現金収入をいただき、まとめて倒した方でゴールドを稼ぐことができるだろう。


 イーグルショットでゴリゴリに削って倒したので買取価格は安いと思われるが、四匹もあればそれなりの額になるはずだ。こいつらはさっさとツクモガミで売ってしまおう。


 俺はさっそく四匹を収納し、一匹ずつ売っぱらった。値段はイーグルショットを最初に食らった先頭のバジリスクから順番に、


【上半身のないバジリスク 1匹 取引完了→130000G】


【上半身のないバジリスク 1匹 取引完了→150000G】


【首と両前脚のないバジリスク 1匹 取引完了→210000G】


【首のないバジリスク 1匹 取引完了→260000G】


 このような結果だった。先頭が一番損傷がひどく、最後方が一番マシだったので、やはり削られた部位が少ないほど高く売れるようだ。もしかしたら価値のある部位なんてものもあるかもしれないけど。


 合計の売却額は75万G。結局、苦労して倒した1匹(40万)の二倍近い収入を得たことになる。


 こういうことがあると、今回は大量に向こうから獲物がやってくる幸運(不運だったかもしれない)もあったとはいえ、やはり金策でもイーグルショットの攻撃力は捨てがたい気がするよな。


 今後も効率よく金策をするには、イーグルショットをうまく使っていく必要があるかもしれない。


 そんなことを考えつつ、コーネリアの場所に戻ろうとすると――


「おっとっ……」


 一瞬、体がふらついた。体力や魔力はまだ十分だと思うんだが、緊張を伴う連戦で集中力が途切れたのかもしれない。


「っと、大丈夫かい?」


 そんな俺を前から抱き抱えるように、コーネリアが体を支えてくれた。


 コーネリアの豊かな胸がむにゅんと顔に当たったわけだが、彼女は気にした様子もなく、俺の顔を間近で見つめながら心配そうに眉を下げていた。おっと、役得だなんて思ったら不謹慎だなコレ。


「なあイズミ、今日はもう帰ろう? 明日また……連れてきてやるからさ」


 まだソードフロッグを狩りながら、ついでに斧も探せれば……と思っていたが、たしかに肉体よりも精神の方が疲れてるのかもしれない。斧はまた新しいのを買うことにして、素直にお言葉に甘えよう。


「明日もいいんですか? それじゃあお願いします」


 そう言ってぺこりと頭を下げると、コーネリアは自分の頬をかきながら言いにくそうに口を開いた。


「……なあ、イズミ。その敬語、止めてくれないかい?」


「え?」


「ついさっき、あたしに『いいから下がれ』とか言ってたじゃないか。あんな感じで頼むよ」


「あー、あれはすいません。ちょっと焦っていたもんで……」


「気にしないでいいって。冒険者なんて実力がすべてだからね。あんたみたいな強い男に敬語で話されるとこっちが恐縮しちまうし――」


 そこで一度言葉を区切ると、コーネリアはなんだか顔を赤らめてもじもじと足を動かした。


「歳下に軽く扱われるの、なんだかすごく新鮮でね……。さっきあんたみたいな歳下の新人にいきなり命がけの(おとり)を命令された時も、実はゾクゾクしてたんだよね……」


 うっとりした表情を浮かべるコーネリア。えっ、この人Mっ気でもあるの?


「それとも……あたしみたいな歳上とは仲良くしてくれないのかい?」


 うーん……これまでも何度かあったけど、敬語使うなって言われることが多いよな。コーネリアが言ったように実力社会ってことなんだろうが……。


 ……まあ本人がいいならそれでいいか。俺も実年齢考えると、コーネリアの方が歳下なくらいだしな。


「あー、そういうことならこれからはそうするわ。よろしくなコーネリア」


 俺の言葉に呆れたような声でヤクモが呟く。


『相変わらず切り替えが早いヤツじゃのう……』


「ははっ! そうこなくっちゃな! それじゃあ帰ろうかイズミ!」


 コーネリアはニカッと笑うと、またしても俺の背中をバシンと叩いたのだった。

 ついに200話到達しました!ここまで読んでくださりありがとうございます!

 よろしければこの機会に、広告↓の☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価していただけると嬉しいです。よろしくお願いします\(^o^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作『ご近所JK伊勢崎さんは異世界帰りの大聖女
~そして俺は彼女専用の魔力供給おじさんとして、突如目覚めた時空魔法で地球と異世界を駆け巡る~』

タイトルクリックで飛べます! ぜひ読んでくださいませ!

書籍「フリマスキル」発売中です!
ぜひぜひご購入をよろしくお願いします!

↓クリックで特集ページに飛びます。
i000000

作者Twitterはコチラ。更新情報なんかも流してます。お気軽にフォローしてくださいませ。
https://twitter.com/fukami040

「異世界で妹天使となにかする。」もよろしくお願いします!

i000000

i000000


ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[良い点] >195話バジリスク-200話金策効率 優れた魔物バジリスクとの戦闘場面で、変化に富み、感心しました。
[良い点] 待ちたまえ!おねショタ警察だ! …ショタ成分が少ないから釈放! [一言] あー抹茶アイスおいしー
[良い点] おねショタ警察が来るぞ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ