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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
砂漠の調査

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第六十八話、ケッコンシキ

 潜砂艦、”アマテラス“は、地底湖の調査から帰って来た。


 地底湖に”古代の海が広がっていること。

 地底湖が、モンジョ古王国の”ヤマタイ湖“につながっていること。

 

「世紀の大発見かつ、超軍事機密だねえ」

 事実、二機の飛行艇を乗せた、武装艦が王都”ヒミコ“の前まで行っている。


 全隊員に、口外禁止が徹底された。


 古アールヴ王家に連絡を入れ、地底湖内の調査は一時中止。

 しばらくは、地底湖の周りを調査する。



 アールクの戴冠式が行われることになった。

 同時に、ティオナと結婚式も行われる。

 “アマテラス”のクルーたちも招待された。

 国をあげて盛大に執り行われる。

 ドウアラ王は引退して、北の平原にある都市に隠居することになった。

 アールクの王としての最初の仕事は、“アールヴ首長国連邦”への挨拶である。

 ドウアラ王も含めた、カサンドラ王妃の墓参りも兼ねた。

 

 キャラバン船の一部が、王室用に改造される。

 古アールヴに“竜砂帯”超えることができる船はない。

 二隻に乗って行くことになる。

 早急に、“竜砂帯“を越えられる船と、水晶を採取できる飛行船の購入が決まった。


「行ってきます」

 国民の盛大な見送りだ。

 アールクとティオナの新婚旅行でもある。


 ニ艦がゆっくりと、王都”エンドラ“を離れる。

 

 南の砂漠を目指した。



 古アールヴと新アールヴは順調に関係を深め、南方諸国に”砂水晶“が出回り始めた。

 ゴールドラッシュならぬクリスタルラッシュが起こり、”竜砂帯“を越える船の数が増大している。

 水晶の採掘場から、直接”ヤマタイ湖‘につながっている地下水路のことだ

 “竜砂帯”を越えるよりは安全なルートである。

 今、このことを知らせるため、新アールヴは、モンジョ古王国と関係を改善をしようとしているところだ。


 水晶魔道具が、普及する先駆けであった。



 イオリは、実家のあるレンマ王国に帰っていた。

 ファラクも一緒である。

 二人の結婚式を挙げる為だ。


「飛行艇しか頭にない、うちの子が結婚できるなんて」

 ファラクは、イオリの父に泣かれた。


 クルックとフィッダ、他関係者も呼んでいる。


「もう、三ヶ月?」

 マリアが、フィッダに聞く。

 フィッダが自分のお腹を優しく撫でる。


「そうだよ、順調さね」

 代わりにローズヒップが答えた。

 キャラバンは、一つの家族。

 母代わりである。

 フィッダの後ろを、クルックが心配そうに動いていた。


「風が出てきた、お腹が冷えるっ」

 クルックが、フィッダに膝掛けをかける。

 良い父親になりそうだ。


 イオリとファラクの結婚式は、レンマ王国方式で行われる。


 ファラクは、白いウエディングドレスに“ツノカクシ”と呼ばれる白い帽子をつける。

 白いドレスに銀色の魔紋が映える。


 エルザードからイオリに、ファラクが受け渡される。


 誓いのキスの後に、

「後ろと正面が同じになりますように」

 永遠を意味するのだ。

 司祭が聖句を唱えながら、二人の周りをゆっくりと回る。

 二人もゆっくりとその場で回った。

 レンマ王国特有の“マリッジサークル”という儀式である。

 会場の人も相手がいれば一緒に回る。

 

「一生、一緒にいるのよっ」


「そのつもりだっ」


「よろしいっ」


 ファラクは、花が全開になるような笑顔を見せた。


 了

 




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