第六十一話、キコク
その後、側妃ソフィアがドゥアラ王に”魅了の魔紋”をかけていたことが発覚。
『王をずっとお慕いしておりました』
『少しでも私を見て欲しかった』
ソフィアは、事情聴取の後、静かに毒杯を煽った。
十年前は不明だが、最近のデザートワームの事件は、ガート宰相が起こしたものと判明した。
アマテラスが回収した”魅了の水晶”が決め手となった。
ガート宰相は中央の政治から身を引いた。
その後、娘のソフィアが毒杯を煽った後、急遽、後継者に引き継ぎをし、姿を消す。
二度と人前に出てこなかった。
『ガート宰相は、娘の為に動いていたのかもしれないな』
イーサ将軍が、しみじみとつぶやいた。
南方を目の敵にしていたが、しっかりとした政治はしていたのだ。
ドゥアラ王は、いかな理由があったとはいえ、十年間、統治に空白期間を与えたため、近い将来、アールクに王位を譲ることになる。
アールクは、イグラット元将軍を後継に、王として教育を受ける。
実家である神社の社会的地位は高い。
かなり高度な教育は受けている。
改めて、ティオナと婚約した。
無事、“アールヴ首長国連邦”と“水晶都市国家、アールヴ”は、国交を樹立。
使われている言語から、“新アールヴ”と“古アールヴ”と呼ばれることになる。
アマテラス一行は、報告の為に一度本国に帰ることになった。
アマテラスが、本国に帰る時が来た。
『今回は、ありがとうございました』
イグラットたちが港に送りに来ていた。
『落ち着いて、国内を案内できませんでしたが』
『今度来る時はゆっくりして行ってください』
ティオナが言った。
『あちらの、父上と母上によろしくお伝えください』
アールクだ。
『帽、ふれー』
甲板にクルーが並んで手に持った帽子を振る。
アマテラスが、ゆっくりと王都の港を離れて行った。
今度は正式に、サラル砂漠に調査に来ることになるだろう。




