第四十七話、ヨウセイ
飛行艇空母“キサラギ”は、帰国するために、砂漠を飛び立った。
その横を少し離れて、飛行艇“イザナミ”が飛んでいる。
キャノピーは開けられていた。
“キサラギ”の外部通路には、クルーが並んで手を振っている。
その中に、クルックとフィッダの姿もあった。
イオリとファラクが、手を振り返した。
アールヴの国境ギリギリまで見送る。
「きゃあっ、ちょっとイオリっ」
イオリは、急にロールを二回して、機体を翻した。
二人は、国境都市“モント^に帰投した。
「行っちゃったね」
ファラクが言った。
「ああ」
イオリが答える。
クルックとフィッダと、飛行艇”イザナギ“(旧、ヨモツヒラサカ)は詳しい調査のため、ハナゾノ帝国の魔術学園に行くことになった。
◆
「昔、ここで”人と妖精“を見たことがあるんだ」
一目見ただけで、あこがれた。
クルックの目の前には、一面に”マーマト湾”が広がっている。
「そう」
フィッダは、飛行艇空母“キサラギ”の外部通路の手すりにもたれかかった。
銀色の髪に、赤い瞳。
白い肌には、錆びた銀色の魔紋。
妖精じみた風貌。
「……これからもよろしく」
僕の妖精
クルックが、フィッダの手を取る。
「うん、こちらこそ……」
フィッダの顔が少し赤い。
二人はいつの間にか指を絡めて、手を繋いでいた。
第一部、完




