表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
モント沖海戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/70

第四十三話、テッコウダン

 ウウウウウウ

 都市に、警戒用のサイレンが鳴り響く。


「敵艦隊が動いた、総員戦闘態勢」

 空母”キサラギ“の格納庫に、艦内無線が響く。

 イオリたちは、慌ただしく自分の機体に乗り込んでいく。


「第一小隊、スクランブル発進っ」

 

 ヒイラギ中尉率いる第一小隊の機体が、格納庫の前後にあるエレベーターに運ばれていく。

 各機、二本ずつ、焼夷爆弾を着けていた。


 第一小隊三機が、スクランブル発進した。


「クルック機発進、アマテラスの艦砲射撃に協力して~」

 メルル―テだ。

 飛行艇”イザナギ“は特殊な”視界“を持っている。


「了解」

 クルックが答える。

 クルックとフィッダが乗った”イザナギ“が、エレベーターに運ばれていく。

 エレベーターが上がるにつれて、外の景色が見えてきた。


 飛空艇空母”キサラギ“は、第二防壁の上空に浮かんでいる。

 正面には、砂煙を上げながら近づいてくる敵艦隊が見えた。 


「ふうう、いくぞっ」

 クルックが後席に振り向く


「うん」

 フィッダが答えた。

「クルック、”イザナギ“、行きます」


 エレベーターが上がりきってから、垂直離発着モードで”イザナギ“は離艦した。


「こちら、”アマテラス“、新型砲弾を使いたい」

「一番近い、ドウケンクラスの位置を教えてくれ」


「了解」

 クルックは高度を取った。

 視界の下を、第一小隊がローパス。

 焼夷爆弾を落としていく。 


 一瞬、イザナギの機体の目が銀色に輝く。

 視線の先には、ドウケンクラスが一艦いた。


「クルック、位置情報、方位○○、距離xxよ」

 フィッダが答えた。

 クルックが、潜砂艦”アマテラス“に伝える。 


「了解、ありがとう」

 

 キイイイイイン

 ヒ、ヒイイイイ

 バガアアン


「クルック機、敵艦の状態報せ」


「命中、装甲貫通、敵艦のバイタルにダメージ」

 この距離で砲弾が貫通した?

「中破と言うところです」


「はは、”キサラギ“が運んでくれた、新型砲弾」


「”徹甲弾“だ」 


「十発しかないから、位置情報をしっかり頼む」

「今度は、重戦艦を狙う」

「敵、ドウホコクラスの位置を、教えてくれ」


「了解」

 クルックが、機体をドウホコクラスに向ける。


「あの大きいやつね、位置情報、方位□□、距離△△」

 

 キイイイイイン

 ヒイイイイ

 ゴツッ


「ドウホコクラスに命中、貫通ならず、装甲ではじかれました」

 クルックが、”アマテラス“に報せた。



 キイイイイイン

 ヒ、ヒイイイイ

 バガアアン 


「な、なに」

 トライヴは、目を見開いた。


「提督、六番艦、装甲抜かれました、中破です」


「下がらせろ」

 トライヴは双眼鏡を持って、ウイングデッキに飛び出した。

 次の瞬間、


 キイイイイイン

 ヒイイイイ

 ゴツッ  


 横を並走していた、ドウホコクラス三番艦に命中。

 目の前を、三番艦の装甲をへこみませながら、オレンジ色の砲弾が通りすぎる。

 ゴオオウ

 空気の塊が移動した。


「くっ、セッサカンというやつかっ」

 トライヴは、双眼鏡を覗きながら言った。


 キイイイイイン

 ヒイイイイ

 バカアアン


「五番艦、装甲貫通、バイタルにダメージ、大破です」


「ドウケンクラスは、重戦艦の後ろに回れ」

「ドウホコクラスを盾にするっ」

 トライヴが、全艦隊に指示を出した。


 

 ゴツッ

 ミシイイ

 パリイイン


「ぎゃああああ」

 イッザウは、椅子から床に転げ落ちた。

 ドウホコクラス三番艦のブリッジである。

 窓ガラスが割れて、破片がパラパラと落ちてきた。

 ”アマテラス“の『徹甲弾』の直撃を受けたからだ。  


「ひいいい」

 イッザウは、ブリッジの壁が内側にへこんでいるのを見た。

 貫通していたら死んでるじゃないか


「ドウホコクラス、盾になれ」

 トライヴの命令が無線から聞こえてきた。

「やや、やってられるか」

「そうだ、”ヤタノカガミ“の後ろに回れえ」


「イッザウ様?」

 ブリッジのクルーが驚いた顔で振り向く。


「”ヤタノカガミ“を盾にしろお」

 あんな若造の命令が聞けるかあ

 イッザウの乗る三番艦が、”ヤタノカガミ“の後ろに回った。



 ズズズズズ

「ふんっ」

 ウイングデッキに出ていた、トライヴは下がって行く三番艦を目の前で見ている。

 イッザウか、旗艦を盾にするとはな……

 後ろの回り込んだ三番艦を、忌々(いまいま)しげに見た。 



「第二小隊隊長、イオリ機、出撃します」

 イオリとファラクは、飛行艇”イザナミ“を離艦させる。 

 同じく離艦して来た、飛行艇『ゲッカビジン』と編隊を組んだ。

 

 飛行艇”イザナギ“は双発ジェットエンジン(エンジン二個)。

 飛行艇”ゲッカビジン“は単発ジェットエンジン(エンジン一個)。

 スロットルをしぼらないとなあ

 僚機を置いていってしまう。

 可変翼は開き気味である。


「イオリ少尉、気を付けてっっ」

 ヒイラギ中尉だ。

 第一小隊は、補給のため帰投中である。

 ネコジャラシとゲッカビジンの編隊とすれ違った。


「了解」

 イオリが答える。


 ファラクが、後席で手を振っていた。


「下の艦は、操砂の魔紋と、櫂で漕いで移動してるみたいね』

 帆を出していない。

 速度は出ないが、前進は出来る。


「焼夷爆弾では、足止めくらいしかできないか」

 イオリが答える。


「!、全機突撃っ」

 敵艦隊の上に到着。


 爆撃のために、急降下しながら敵艦隊に飛び込んだ。  


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ