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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

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第十九話、チャクニン

 場所は、大きめの会議室。

 前には、女性用の軍の礼服を着た、メルル―テ大佐。

 他、基地の司令官などが並んでいる。


「命ずる、レンマ空軍、教導部所属、『イオリ・ミナト』少尉~」

「砂上飛行艇、『イザナミ』の搭乗者、並びに船主ふなぬしとして~」

「アールヴ海軍所属、『ファラク・シャリー・アールヴ』中尉と、熱砂に出向~」


深砂漠調査用潜砂艦しんさばくちょうさようせんさかん、『アマテラス』に乗艦を命ずる~」


 イオリは、横に並んで立った女性をちらりと見た。

 砂漠の砂の色をした軍の礼服。

 タイトスカート。

 黒髪に、青い目、褐色の肌、銀色の魔紋。

 頭には、角ばったベレー帽。

 ベレー帽には、アールヴ軍の徽章である『デザートイーグル』

 ファラクだ。


「はっ」

 イオリは、大声を出して敬礼した。



 着任式が終わった。


「え~と、中尉?」

 イオリが、軍の礼服姿のファラクに聞いた。


「そうよ~、『イザナミ』は軍用機だもの~」

 ファラクは、悪戯が成功したような顔をしている。


「……名前にアールヴ……?」

「……王女様なの……?」

 イオリは驚いた表情で聞いた。


「アールヴ王家のハーレム出身よ~」

「上から十七番目だけどね~」

 ファラクは、ピンク色の舌をちらりと出した。


「??、ファラク中尉?、ファラク王女?、ファラク殿下??」

 イオリが混乱している。


「あはは、今まで通りファラクでいいわよ~」

「まだ下に十人くらいハーレム出身の王女はいるもの」

「中尉と言っても、技術中尉だし」

 船巫女に関する技術供与だ。

 ハーレムから軍に臨時で参加しているようなものである。


「それよか、次は船主になるための、”ケイヤクノギ”よ」

「……”イザナミ(わたし)”の船主になるのでいいの……?」


「いいよっ」

 イオリは、力強くうなづいた。



 着任式が行われているその頃、


「ぐふふ、これです」

 クルックと感じの悪い上官が、基地の格納庫に来ていた。

 二人の前には、シートに覆われた飛行艇があった。


 垂直尾翼がない。


「あのような、砂漠の卑しい身分の女は必要ないんです」

 上官の目つきがおかしい。


「……お前……」

 クルックは、ファラクの本当の身分を知っている。

 飛行中に話をしたのだ。


 バサア


 上官がシートを外した。


「イザナミ……じゃない」


「ぐふ、”ヨモツヒラサカ”ですよ」


 形は『イザナミ』とおなじだ。

 しかし、

 機首と機体上部中央に、真っ黒い『一つ目』の魔紋が二つ。

 機体の横には、小さな『一つ目』の魔紋が二つ、左右計四つ。

 それぞれの目には、唇のある小さな口がそれぞれついていた。

 その周りを黒くて禍々しい線がのたうつ。


「目……か……」


 ギョロリッ


「ぐっ」

 クルックは、魔紋の目が一斉にこちらを見たような気がした。


「エンバー伯爵様の命令です。 今夜出ますよ」


「……ああ」

 クルックは、魔紋からしばらく目が離せなかった。


 その日の夜、クルックと上官は、『ヨモツヒラサカ』で、基地から失踪した。



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